通貨の特徴と選び方

通貨の特徴と選び方

メキシコペソ:最新金利と通貨の特性

外貨預金のお預入れに当たっては、各通貨の特徴や傾向を理解することが大切です。
通貨選択の際の参考にしてください。

メキシコペソ

  • 米国と経済的に密接な関係
  • 世界10位の産油国。原油価格も大きく影響
  • 相場は大きく変動するので、十分なリスク管理が必要

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こんなお客さまにおすすめ
高金利通貨に投資したい方や資源国通貨に興味のある方におすすめ。多少のリスクを取っても、これからの経済成長に期待して新興国投資をしたい方に向いています。

情報の豊富さ
5つ星のうち 4
通貨の安定性
5つ星のうち 1
金利
5つ星のうち 5

「ネクスト11」にも挙げられた経済成長が期待されるメキシコ

メキシコはブラジル、アルゼンチンとともに中南米を代表する新興国のひとつです。
天然資源に恵まれ鉱業がメキシコ経済の成長を支える主要産業となっています。原油は世界10位前後の生産量を誇ります。産業用途も多い銀の生産量は世界1位 (JOGMECより) 、自動車の潤滑油などの原料となるモリブデンの産地としても有名です。
コロナ禍の前は観光がGDPの15%を占めるほどの観光大国でもありました。
人口は1.2億人を超え、若年層も多いことから、BRICsに続き成長が期待できる新興国のグループの総称「ネクスト11」にも挙げられた経済成長が期待される国です。
国境を接する米国が最大の貿易相手国で、輸出が約8割、輸入の5割近くを占め経済的に密接な関係を持っています。米国向けの自動車製造工場も多くあり雇用を創出しています。そのため米国との関係は重要です。国内の治安に不安があり、米国への不法入国や麻薬密輸などの問題は両国の関係に陰を落とす要因となっています。
日本とは近年自動車関連業界を中心につながりを深めています。
メキシコは1982年の債務危機と、1994年の通貨危機を経験していますが、近年は2007~2009年の世界的な金融危機以降、堅調な米国経済を背景に経済成長を続けてきました。2022年にはGDP成長率速報値は3.0%でした。

メキシコの輸出相手国

通貨の特性

メキシコペソは高金利通貨、資源国通貨としてインフレ懸念の強まりとともに注目度が上がっています。
世界有数の原油埋蔵量を誇るメキシコ湾に面する産油国だけに、原油価格がメキシコペソ相場に大きな影響を与えます。メキシコ湾へのハリケーン来襲、それによる製油所の破損などで相場が動くことがあります。2022年のロシアのウクライナ侵攻による原油価格上昇はメキシコペソの上昇要因となりました。
メキシコペソ相場は、米国経済の影響を受けやすい傾向にあります。1994年にNAFTA (北米自由貿易協定) が発効して以降、メキシコと米国との経済関係はますます強まりました。そのため、米国の景気が良くなるとメキシコの景気も良くなる傾向があります。
なおNAFTAは再交渉ののち2020年7月1日にメキシコ名称「Tratado entre Mexico, Estados Unidos y Canada , T-MEC」として発効しています。
中央銀行の金融政策もメキシコペソ相場に大きく影響します。
メキシコ中央銀行 (BOM) はインフレ目標を採用しており、前年比のCPI (消費者物価指数) 上昇率を+3% (その上下1%が許容レンジ) にすることを金融政策運営の目標としています。メキシコでは投資を呼び込むために金利を高くしたいという面があるといわれていますが、2022年には8%台後半という高いインフレが起きており、中央銀行はインフレ抑制のため2021年から利上げを行いました。インフレ鈍化が確認され2023年5月に利上げを停止、政策金利を11.25%で据え置きました。6月も引き続き据え置きとなりましたが、今後の金融政策もメキシコペソ相場に影響を与えることが考えられるため、引き続き注視が必要です。
1993年1月にデノミを実施して新ペソを導入。1996年8月には変動相場制に移行しました。経済基盤の脆弱さや政治的・社会的問題などからメキシコペソ相場は大きく変動するので、十分なリスク管理が必要です。

過去10年間のメキシコペソの値動き (チャート)

2006年から2008年前半にかけては1メキシコペソ=10~11円台で推移していたメキシコペソ / 円相場ですが、2008年9月のリーマンショック発生とともに、わずか3ヶ月で6円台まで急落。その後は6~7円台の持ち合い (ボックス圏) 相場が続きますが、2011年から2012年にかけて一段安となり、一時は5円台前半まで円高・メキシコペソ安が進みました。この間、リーマンショック後の世界経済の回復とともに原油高が進み、メキシコ経済も4~5%台の成長を実現していますが、ドル円の下落に歩調を合わせるような形でメキシコペソ / 円も下落しています。安倍政権下で金融緩和が始まった2013年以降はメキシコペソ高・円安にトレンドが転換。2014年後半には一時1メキシコペソ=9円近辺までメキシコペソ高が進行しました。しかし、その後2014年の原油価格の急落でメキシコペソは再び売られました。中国経済の鈍化懸念から世界的に株価が大幅に調整したことや、中国が人民元を事実上切り下げたことで新興国通貨全般に不安が高まったことも影響したようです。2016年に米国でトランプ政権が誕生するとメキシコに強硬政策をとったことでさらに5円台まで下落しました。
2020年3月には新型コロナウイルスの感染拡大を背景にした原油価格の下落や経済悪化懸念などが原因でメキシコペソは急落し、メキシコペソ / 円は4.2円と過去最安値を付けました。
その後原油価格の高騰、急速な利上げで上昇基調をたどっています。2023年7月上旬には1メキシコペソ=8.4円近辺と、2015年以来の高値圏で推移しています。

メキシコペソ/円チャート (10年)

金利情報

メキシコペソ (MXN)

普通預金 定期預金
お預入期間
1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1年 2年 3年
1.00 % から 25.00 % 8.00 % 8.00 % 8.00 %
外貨から 7.00 % 8.00 % 8.00 % 8.00 % - -

※個人のお客さま向け  2024年04月25日現在

普通預金 1.00 %
定期預金
お預入期間 円から 外貨から
1ヶ月 25.00 % 7.00 %
3ヶ月 8.00 % 8.00 %
6ヶ月 8.00 % 8.00 %
1年 8.00 % 8.00 %
2年 -
3年 -

※個人のお客さま向け  2024年04月25日現在

注目指標はこれ !

原油価格
産油国通貨であるメキシコペソ相場は、原油価格の影響を受けやすい傾向があります。とくに隣国米国の国際原油価格WTIの動向は注視しておきたいところです。
<発表時期>
ほぼ24時間リアルタイムで変動
消費者物価指数 (CPI)
メキシコは1980年代から1990年代にかけて、2ケタ台から100%以上のインフレ率を経験しています。世界的な物価高のなかメキシコでもCPIは4月のデータで7.7%まで上昇しています。今後の変動には注意が必要です。
<発表時期>
毎月上旬の日本時間22時ごろ
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