通貨の特徴と選び方

通貨の特徴と選び方

英ポンド:最新金利と通貨の特性

外貨預金のお預入れに当たっては、各通貨の特徴や傾向を理解することが大切です。
通貨選択の際の参考にしてください。

英ポンド

  • EUの中心メンバーだったが、ユーロは採用せず
  • GDPは欧州2位、世界6位。北米とも深い関係
  • 主要国の中では、歴史的に金利が高い傾向がある

最新の金利はこちら

こんなお客さまにおすすめ
世界の政治・経済への影響力が強い英国の通貨です。近年、英ポンドの変動幅はユーロや米ドルに比べてやや大きくなっており、リスクを取って、より大きな為替差益を得たい方に向いているかもしれません。

情報の豊富さ
5つ星のうち 5
通貨の安定性
5つ星のうち 4
金利
5つ星のうち 3

欧州の中心的存在 金融・証券市場で大きな影響力を持つ

英国はイングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの4つの国からなる連合王国です。経済規模 (GDP) はドイツに次ぐ欧州第2位、世界第6位 (2022年、IMFによる) です。地理的・歴史的に欧州だけでなく、北米とも深い関係を持っています。

15~17世紀の大航海時代から世界の覇権を握っていた欧州の中心的存在で、18世紀後半には産業革命を起こし、世界に先駆けて近代的な工業国家となりました。英国で金本位制が確立されたこと、英国が世界に工業製品を輸出したことなどから、英ポンドは世界の基軸通貨となりました。第二次世界大戦後に米ドルに基軸通貨の座を取って代わられるまで、ロンドン市場は国際的資本・金融・為替市場の中心として圧倒的な地位を誇っていました。その歴史もあって、英国は現在でも金融・証券などの分野で世界的な影響力を持っており、ロンドン中心部のシティ (金融街) はニューヨークと並ぶ金融センターとして知られています。

英国は、EU (欧州連合) の当初からの中心メンバーでしたが、政治的・経済的主体性が失われることを懸念して、通貨連合に加わってユーロを採用することは選びませんでした。

2008年9月に発生した金融危機 (リーマンショック) は2009年には世界同時不況をもたらし、英国経済も大きなマイナス成長となりました。これに対応して英国の中央銀行であるBOE (イングランド銀行) が急速な金融緩和を行ったことで回復基調となりました。2010年にギリシャ債務危機からユーロ危機へと発展し、ユーロ圏経済は再びマイナス成長に陥るなどしましたが、英国経済は緩やかな成長を続けました。

2016年6月に、英国のEUからの離脱が国民投票により決定しました。事前には離脱の影響への懸念が強まる場面もありましたが、2020年1月31日の離脱実行が成長率などに与えた影響は限定的なものとなりました。その後2020年前半には新型コロナウイルスの感染拡大を受けて景気が急速に悪化しましたが、2021年の実質GDP成長率は7.4%に。第2次大戦以降最大のプラス成長となりました。その一方、天候不順の影響や、コロナ収束後に向けた思惑で景気回復を待たずにエネルギー・食料品相場が大きく上昇しインフレが高進しはじめました。そこで、英国の中央銀行であるイングランド銀行は2021年12月16日、政策金利を0.15ポイント引き上げ年0.25%にすると発表し利上げを開始しました。その後利上げが続き2023年5月には4.50%に、さらに6月には、3会合ぶりに0.5ポイントの利上げを決定しました。13会合連続の利上げで政策金利は2008年以来となる5%まで引き上げられました。

一方、2022年2月、ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始、両国の戦闘は長期化の様相を見せています。英国は米国とともにウクライナへの支援、ロシアへの経済制裁の中心的役割を果たしていますが、地政学的要因などからユーロ圏ほど直接的な影響は受けないと考えられています。

金利引き上げ以降堅調に推移していたポンドですが、ジョンソン首相 (当時) がコロナ禍における自粛を国民に求めていた期間に首相官邸などで複数回のパーティーを行っていたことなどから、内閣内部からも批判が高まり大臣の辞任が続出、2022年7月辞任に追い込まれました。その後就任したトラス前首相でしたが、目玉の経済政策での迷走などで通貨安、債券安、株安のいわゆる「トリプル安」を招き、英金融市場が大混乱となって、史上最短の就任から50日での辞任表明となりました。しかしトラス前首相の後任に、投資銀行やヘッジファンドなど金融業界での経験が豊富で、経済政策に強いと見られるスナク元財務相が就任したことで政治的な混乱が収束し、英ポンドは2022年10月頃から回復に転じました。

英国の名目GDPは世界第6位、欧州ではドイツに次ぐ第2位の経済大国です。さらにロンドンの金融市場はNY市場と並ぶ世界屈指の金融センターとしての地位を維持しています。今後も英国は政治、経済など多くの分野で世界をリードしていくと考えられます。多くの欧州先進国がユーロを導入する中、英ポンドは投資家にとって別の選択肢としても価値を維持するでしょう。

英ポンドとユーロの政策金利推移

通貨の特性

為替市場における英ポンドの取引高は、米ドル、ユーロ、円に次いで第4位と流動性が高く、取引に対する規制もありません。経済指標、政治関連報道など投資に関わる情報を手に入れやすいことも有利な条件と言えます。主要国の中では、歴史的に金利が高い傾向があるので、金利面を重視する場合には有力な選択肢となります。

同じ欧州の通貨であることから、英ポンドはユーロと似たような値動きをする傾向がありますが、ユーロに比べると変動幅が大きくなりやすいのが特徴です。これまでも投機的な売買によって短期的に相場が激しく動くことがありました。そのため、英ポンド預金のタイミングを探るうえでは、金利とともに値動きに注意が必要でしょう。タイミングが合えば、金利と英ポンドの値上がりの双方で有利な投資となります。

いち早くコロナとの共存を選択し経済回復を重視している英国ですが、ロシアによるウクライナ侵攻が予想以上に長期化して、その影響が多岐にわたって回復が妨げられれば、期待感とのずれから影響を受ける可能性があるので注意が必要です。また2020年1月に正式にEUから離脱した英国ですが、EUと結んだ「離脱協定書」の一部をいまだに争っていることから、今後経済的、政治的に結びつきの強いEUとの関係をめぐって、短期的な変動要因となる可能性があります。変動幅が大きいだけにリスクにも注意が必要です。

変動要因

地政学的、経済的、歴史的に結びつきが強いユーロとの連動性が強いとも言われています。ただ、英国がEUを離脱して、両者の関係が不透明になっていることから、今後その関係が変化する可能性もあります。

歴史的に金利が高めなことから、利上げ局面でBOEのMPC (金融政策委員会) による今後の経済見通しや、金利引き上げの見通しに注目が集まります。

また、2023年5月現在、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する見通しとなる中、欧州経済がダメージを受けることによる英国経済への影響、ロシア、ウクライナからの農産物、希少資源の輸入が滞ることによる影響がどの程度大きくなるのか、など新たな懸念材料が浮上してきています。

過去10年間の英ポンドの値動き (チャート)

2006年から2007年前半までの英ポンド / 円相場は、ユーロ / 円相場同様、日本に比べて英国の政策金利が高かったことなどから、ポンド高・円安基調が続き、一時は1ポンド=250円越えの水準まで上昇しました。米国でサブプライムローンの貸し出しの増加などで住宅バブルが起きましたが、英国でも同様に住宅市場が盛り上がりを見せ、経済が好調に推移したことが英ポンド高の大きな要因でした。しかし、2007年秋以降に米国でサブプライムローン問題が深刻化すると、一転してポンド安が進み、2008年初めまでに1ポンド=190円台まで下落しました。2008年9月にリーマンショックが起きると、英国では金融業が経済の中で重要な地位を占めていたことからポンド売りが強まり、2009年初めには1ポンド=120円割れまで急落しました。その後ユーロ圏ではギリシャ債務危機が発生しましたが、英国には直接的な影響が少なかったこと、ユーロ圏に比べて英国の経済回復は早かったことから、アベノミクスによる円安と相まって英ポンド / 円は2015年半ばには1ポンド=195円超へポンド高が進行しました。
2015年後半からは、英国のEUからの離脱の是非を問う国民投票の実施に伴って、不透明感と離脱による悪影響の懸念が高まったことからポンド安の動きとなる中、2016年6月にEUからの離脱が決定しました。決定直後には一段とポンド売りが強まって2016年10月に1ポンド=120円台前半までポンド安が進みました。しかし売りが一巡したあとは反発して1ポンド=140円台から150円台の取引となりました。
その後、英国の合意なきEU離脱の懸念や、ユーロ圏の景気への不安などを受けて英ポンドは2019年半ばに再び1ポンド=120円台まで下落しました。さらにコロナ禍による景気後退の懸念でポンド売りが強まる場面もありましたが、英国がいち早くコロナとの共存を選択したことからポンド / 円相場は上昇に転じました。2022年2月にロシアによるウクライナへの侵攻が始まりましたが、直接的な影響は限定的とされたこと、エネルギー価格の急上昇は北海油田を持つ英国は産油国の一角を占めることなどから好材料となりポンドは堅調に推移し1ポンド=168円台まで上昇しました。その後の政治的な混乱で、ポンド円は一時150円割れまで急落しましたが、混乱が収束するとは全般的な円安と相まって2022年10月末には2016年1月以来となる1ポンド=172円台まで上昇しました。2023年1月初めには150円台半ばまで再び下落するなど荒い値動きとなりましたが、BOEによる利上げが続いていることもあって2023年5月には昨年の高値を更新して170円台に突入、6月中旬からはポンド高が鮮明となり、7月現在では183円台前後で推移しています。BOEは今後に関して「一段と持続的な圧力が示されれば、金融政策のさらなる引き締めが必要になる」と利上げの継続を示唆していて、アメリカの利上げサイクルが終了した場合には注目される可能性があります。

英ポンド/円チャート (10年)

金利情報

英ポンド(GBP)

普通預金 定期預金
お預入期間
1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1年 2年 3年
0.60 % から 7.00 % 2.50 % 2.90 % 3.40 %
外貨から 2.00 % 2.50 % 2.90 % 3.40 % - -

※個人のお客さま向け  2024年02月21日現在

普通預金 0.60 %
定期預金
お預入期間 円から 外貨から
1ヶ月 7.00 % 2.00 %
3ヶ月 2.50 % 2.50 %
6ヶ月 2.90 % 2.90 %
1年 3.40 % 3.40 %
2年 -
3年 -

※個人のお客さま向け  2024年02月21日現在

注目指標はこれ !

消費者物価指数 (CPI)
物価指標の1つであり、金融政策を判断するうえで注目される指標です。イングランド銀行は年2%のインフレターゲットを設定しています。
<発表時期>
毎月中旬の日本時間18:30ごろ (夏時間は17:30ごろ)
製造業PMI
民間金融調査会社マークイットが発表する英国の製造業購買担当者景気指数です。米国のISM 製造業景況指数と同じく景気転換の先行指標として注目されています。
<発表時期>
毎月下旬の日本時間18:30ごろ (夏時間は17:30ごろ)
製造業生産高
製造業部門の生産動向を示す指標で、英国国家統計局が毎月発表しています。数値が高いと景気が好調であるとみなされ、英ポンドも上がりやすくなります。
<発表時期>
毎月上旬の日本時間18:30ごろ (夏時間は17:30ごろ)
失業率
英国国家統計局が毎月発表。失業率と同時に発表される失業保険申請件数の増減も、英ポンド相場に影響を与えることがあります。
<発表時期>
毎月中旬の日本時間18:30ごろ (夏時間は17:30ごろ)
小売売上高
デパートやスーパー、コンビニエンスストアなど、英国の小売業全体の売上高です。英国経済は個人消費への依存度が高いため、小売売上高が好調であれば景気は上向きやすくなります。
<発表時期>
毎月中旬の日本時間18:30ごろ (夏時間は17:30ごろ)
RICS住宅価格
英国王立不動産鑑定士協会 (RICS) が毎月発表する住宅価格指数です。同協会に所属する鑑定士に住宅価格の先行きについて調査し、「上昇」との回答から「下落」との回答を引いた数値を発表します。
<発表時期>
毎月中旬ごろ
  • 本ページ情報の無断での複製・転載・転送等はご遠慮ください。
  • 本ページの情報提供について信頼性の維持には最大限努力しておりますが、2023年7月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。
  • 本ページの情報はご自身の判断と責任において使用してください。