通貨の特徴と選び方
通貨の特徴と選び方
メキシコペソ:最新金利と通貨の特性
外貨預金のお預入れに当たっては、各通貨の特徴や傾向を理解することが大切です。
通貨選択の際の参考にしてください。
メキシコペソ
- 米国と経済的に密接な関係
- 世界10位の産油国。原油価格も大きく影響
- 相場は大きく変動するので、十分なリスク管理が必要
- こんなお客さまにおすすめ
- 高金利通貨に投資したい方や資源国通貨に興味のある方におすすめ。多少のリスクを取っても、これからの経済成長に期待して新興国投資をしたい方に向いています。
- 情報の豊富さ
- 通貨の安定性
- 金利


「ネクスト11」にも挙げられた経済成長が期待されるメキシコ
メキシコはブラジル、アルゼンチンとともに中南米を代表する新興国のひとつです。
メキシコの 2024年の名目GDPは1.85兆ドルと、中南米ではブラジルに次ぐ2位、世界でも13位となっています (IMF) 。1982年に債務危機、1994年に通貨危機を経験しましたが、2007~2009年の世界的な金融危機以降は堅調な米国経済を背景に経済成長を続けました。2020~2021年はコロナパンデミックにより大きく変動。2025年4月時点ではGDPが前期比マイナスになるなど経済に減速感が見られています。
天然資源に恵まれ鉱業がメキシコ経済の成長を支える主要産業となっています。原油は世界11位の生産量を誇ります。産業用途も多い銀の生産量は世界1位 (JOGMECより) 、自動車の潤滑油などの原料となるモリブデンの産地としても有名です。
世界遺産登録数が35 (2025年現在) もあり、パンデミック下にあっても一度も国境を閉ざすことがなかった観光大国でもあります。
人口は1.2億人を超え、若年層も多いことから、BRICsに続き成長が期待できる新興国のグループの総称「ネクスト11」にも挙げられた経済成長が期待される国です。
国境を接する米国が最大の貿易相手国で、輸出の約8割、輸入の4割程度を占め経済的に密接な関係を持っています。米国向けの自動車製造工場も多くあり、雇用を創出しています。近年は米中摩擦による「ニアショアリング」で、電気自動車 (EV) の生産拡大に向けた投資が活発で、2023年には米国にとって中国を抜いて最大の貿易相手国になりました。米国との関係はメキシコ経済にとって重要です。
メキシコ国内の治安に不安があり、米国への不法移民の急増や麻薬密輸などの問題がありますが、米トランプ政権はこれに不法入国者の強制送還や追加関税で対応するとし、関係が悪化しています。
日本とも自動車関連業界を中心に深いつながりを持っています。
通貨の特性
メキシコペソは高金利通貨、資源国通貨としてインフレ懸念の強まりとともに注目度が上がりました。世界有数の原油埋蔵量を誇るメキシコ湾に面する産油国だけに、原油価格がメキシコペソ相場に大きな影響を与えます。メキシコ湾へのハリケーン来襲、それによる製油所の破損などで相場が動くことがあります。2022年のロシアのウクライナ侵攻による原油価格上昇はメキシコペソの上昇要因となりました。
メキシコペソ相場は、米国経済の影響を受けやすい傾向にあります。1994年にNAFTA (*北米自由貿易協定) が発効して以降、メキシコと米国との経済関係はますます強まりました。そのため、米国の景気が良くなるとメキシコの景気も良くなる傾向があります。
2024年10月に就任したシェインバウム大統領の交渉手腕は評価されていますが、足元では米トランプ政権によりUSMCAに準拠しない品目、自動車、鉄鋼・アルミ製品に高関税が課せられるなど、悪影響が懸念されます。米国で働くメキシコ人の本国への送金は経常収支を支えています。在外労働者の本国送金に対する課税法案の行方にも注意が必要です。
中央銀行の金融政策もメキシコペソ相場に大きく影響します。メキシコ中央銀行 (BOM) はインフレ目標を採用しており、前年比のCPI (消費者物価指数) 上昇率を+3% (その上下1%が許容レンジ) にすることを金融政策運営の目標としています。
1993年1月にデノミを実施して新ペソを導入。1996年8月には変動相場制に移行しました。経済基盤の脆弱さや政治的・社会的問題などからメキシコペソ相場は大きく変動するので、十分なリスク管理が必要です。
*なおNAFTAは再交渉ののち2020年7月1日にメキシコ名称「Tratado entre Mexico, Estados Unidos y Canada , T-MEC」として発効しています。2026年に見直し期限が来ます。米国名USMCA。
過去10年間のメキシコペソの値動き (チャート)
2006年から2008年前半にかけては1メキシコペソ=10~11円台で推移していたメキシコペソ / 円相場ですが、2008年9月のリーマンショック発生とともに、わずか3ヶ月で6円台まで急落したことがあります。
その後2012年にかけてドル / 円の下落に歩調を合わせ、一時は5円台前半まで円高・メキシコペソ安が進みました。安倍政権下で金融緩和が始まった2013年以降はメキシコペソ高が進み2014年後半には一時1メキシコペソ=9円近辺までメキシコペソ高が進行しました。しかし、その後2014年の原油価格の急落でメキシコペソは再び売られました。中国が人民元を事実上切り下げたことで新興国通貨全般に不安が高まったことも影響したようです。2017年に米国でトランプ政権が誕生するとメキシコに強硬政策をとったことでさらに5円台まで下落しました。
2020年3月には新型コロナウイルスの感染拡大を背景にした原油価格の下落や経済悪化懸念などが原因でメキシコペソは急落し、メキシコペソ / 円は4.2円と過去最安値を付けましたが、その後原油価格の高騰、急速な利上げで上昇基調に入ります。
メキシコ中央銀行は商品高やコロナ禍一巡による経済活動の正常化で高まったインフレを抑制するため2021年から利上げを行いましたが、2022 年はインフレ率が 7.9%と一時23年弱ぶりの高水準に達しました。
2023年5月、インフレ鈍化が確認され16会合ぶりに利上げを停止、政策金利を11.25%で据え置きました。7会合連続で据え置いた後、2024年3月に利下げを行いました。景気の減速に配慮したとみられます。その後、中東の地政学リスクを巡って下落する場面があっても相対的に金利が大幅に高いメキシコペソは堅調地合いを続け、5月にメキシコペソ / 円は9.4円まで上昇しました。
流れが変わったのは2024年6月2日の大統領・連邦議会選挙です。連邦議会選挙で与党連合が下院で改憲に必要な3分の2を超える議席を獲得したことで、ロペス=オブラドール前大統領が掲げるポピュリズム的な政策が実現し財政悪化につながるとの警戒感が強まり、メキシコペソは急落しました。司法制度改革への懸念や中央銀行の金融政策にも不透明感があり、9月にメキシコペソ / 円は7円割れまで下落しました。
その後も低迷が続き、2025年4月には米国が相互関税を示し世界が動揺する中で6.8円をつけましたが、6月22日現在、7.6円台とやや持ち直しています。
メキシコ中銀が5月まで7会合連続で利下げを行い政策金利を8.50%としました。2022年8月以来の低水準となります。これによる景気下支え効果は期待されますが、米国関税政策への不透明感からペソ相場は低位で不安定な展開となっています。なお、利下げサイクルが継続されるとの見方が大勢ですが、5月CPIは上昇し中央銀行の政策目標の上限 (4%) を5ヶ月ぶりに上回っています。
2025年6月現在、1メキシコペソ=7.5円近辺で推移しています。

注目指標はこれ !
- 原油価格
- 産油国通貨であるメキシコペソ相場は、原油価格の影響を受けやすい傾向があります。とくに隣国米国の国際原油価格WTIの動向は注視しておきたいところです。
- <発表時期>
- ほぼ24時間リアルタイムで変動
- 消費者物価指数 (CPI)
- メキシコは1980年代から1990年代にかけて、2ケタ台から100%以上のインフレ率を経験しています。2022年に20年ぶりの高い伸びとなる8.77%に達したあとで鈍化したものの、足元5月は再上昇の兆しが見えています。
- <発表時期>
- 毎月上旬の日本時間22時ごろ
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