通貨の特徴と選び方

通貨の特徴と選び方

NZドル:最新金利と通貨の特性

外貨預金のお預入れに当たっては、各通貨の特徴や傾向を理解することが大切です。
通貨選択の際の参考にしてください。

ニュージー
ランドドル

  • 隣国の豪ドルと似たような値動きをする傾向
  • 輸出全体の6~7割を一次産品で占める農業国
  • 金利は他の先進諸国よりも高くなる傾向
こんなお客さまにおすすめ
多少の価格変動リスクは許容しつつ、金利収益を得たいと考える方。

情報の豊富さ
5つ星のうち 2
通貨の安定性
5つ星のうち 3
金利
5つ星のうち 3

資源国と見られがちだが、輸出の多くは一次産品で占める農業国

ニュージーランドは、17世紀にオランダ人がヨーロッパ人として初めて訪れたオーストラリア大陸の東南約2,200kmに位置する島国です。19世紀半ばに英国の植民地となったことから、隣国のオーストラリア同様、歴史的、政治的、文化的に英国との結びつきが深く、現在でも英国連邦に属し、英国のチャールズ3世国王がニュージーランド国王を兼ねていて、英国との親密な関係が維持されています。そういった歴史的背景と地政学的条件からニュージーランドドル (NZドル) は、隣国の豪ドルと似たような値動きをする傾向があります。
隣国オーストラリアが資源国であるのに対して、ニュージーランドは人口約500万人の小さな国ですが、酪農関連、木材・木製品、果実類、ワインなどの輸出が盛んで、輸出全体の6~7割を一次産品で占める農業国です。その輸出先は最も多い中国が24.5%、オーストラリアが20.2%となっていて、中国の景気に直接的、間接的に大きく影響されます。
ただ、経済規模が限られていること、金利が比較的高いことから、こうしたニュージーランド独自の要因よりも、時には世界経済の状況のほうが相場に与える影響が大きくなります。具体的には世界景気が上向きの時には投資資金が集まってNZドル高になりやすくなり、反対に世界景気が低迷するとNZドル安になりやすくなります。
コロナ禍の影響に対処するため、2020年3月に過去最低の0.25%まで政策金利を引き下げたニュージーランド準備銀行 (中央銀行) は、2021年10月に主要国に先駆けて利上げを開始し、2023年5月には政策金利を5.5%まで引き上げました。その後約1年間政策金利は据え置かれましたが、2024年半ばに各種経済指標が急速に悪化したことから、NZ中銀は2024年8月に利下げを開始しました。以降6会合連続で利下げが決定され、2025年5月には3.25%まで引き下げられています。一方日銀は2024年3月、約17年ぶりに利上げを決定、2024年7月、2025年1月に追加利上げを実施しましたが、その後の追加利上げは見送られています。日銀の利上げとNZ中銀の利下げによって、2024年初めに5.60%あった政策金利の差 (NZ>日本) は2025年6月現在2.75%まで縮小しています。

ニュージーランドの輸出品目

通貨の特性

地理的に近いオセアニアの豪ドルに連動しやすいことからNZドルも資源国通貨のように思われがちですが、ニュージーランド経済は、原油や鉄、銅といった資源価格よりも、農産物市況に影響を受けます。
NZドルの金利は、歴史的に他の先進諸国よりも高くなる傾向があります。そのため世界的に政治・経済が安定している時には、金利狙いの資金が集まりやすく、NZドルも高くなる傾向がある一方、突発的な混乱が生じると、一気に資金が流出して急激なNZドル安となることもあります。
NZドルは、ドル、ユーロ、円はもちろん豪ドルと比べても取引量が小さいので、変動幅が大きくなりやすく、短期的に大幅に値が動くこともある通貨です。

変動要因

高金利を背景に投資対象として見られることが多いことから、ニュージーランドの金融政策の方向性が大きな変動要因であるとともに、世界が政治的、経済的に安定している時にはNZドル高になりやすく、反対に混乱するとNZドル安になりやすい性質があります。
また、ニュージーランドは酪農産業が大変重要な地位を占めているため、乳製品最大手フォンテラによる乳製品の買い入れ価格の推移 (GDTニュージーランド価格指数として発表される) が、NZドル相場に大きな影響を与えることが他の通貨と異なった特徴です。貿易相手として輸出入ともに第1位の中国、第2位のオーストラリアの景気に左右されやすい傾向もあります。

過去10年間のNZドルの値動き (チャート)

NZドル / 円相場は、2000年代の前半の好調な世界経済とともにリスク選好の姿勢が強まり、高金利通貨を求める動きが広がったことや、赤字続きであった財政収支が黒字に転換したことなどから、2007年半ばにかけてNZドル高・円安で推移し、1NZドル=97円台まで上昇しました。しかし2008年9月にリーマンショックが発生すると、投資資金が一気に流出したことなどからNZドルは1NZドル=44円付近まで50%以上も急落しました。下げ幅が大きかったのは、先進国通貨や隣国通貨の豪ドルに比べて取引量が小さいことも一つの要因でした。2009年以降は、世界経済の回復とともにNZドルは買い戻され1NZドル=60円台まで反発し、以降数年は比較的安定した推移となりました。2012年末からは、アベノミクスによって円安傾向が強まる中1NZドル=94円台まで上昇しました。しかし、2014年終盤からの急激な原油安や、ニュージーランド準備銀行が利下げを示唆したことなどの影響で、円高・NZドル安基調に転じました。
2016年以降70円台を中心とした値動きが続きましたが、2020年に新型コロナの感染拡大による世界的な景気後退が起きると、2020年3月には1NZドル=60円付近まで下落しました。しかしその後、コロナ禍からの回復期待でリスク回避の動きが後退したことから1NZドル=80円台を回復しました。さらに2021年10月にニュージーランド準備銀行が利上げを開始するとNZドルは上昇基調で推移しました。
2024年3月日銀は約17年ぶりに利上げを行った日銀ですが、緩和的な金融政策が継続されると見られたことから、堅調な値動きが続き2024年7月には99円台まで上昇しました。しかし2024年7月に政府・日銀が大規模な円買い (ドル売り) の市場介入を4月~5月に続いて行ったことに加え、7月末に日銀が追加利上げを決定、さらに8月にはNZ中銀が予想より早く利下げに踏み切ったことからNZドルは83円台まで急落しました。その後急落の反発もあって90円付近の値動きとなりましたが、NZ中銀が利下げを、日銀が利上げを継続して金利差の縮小が続いたことに加え、米トランプ政権発足後の全般的な円高の影響で弱含みの値動きとなって、2025年4月には約3年ぶりの79円台まで下落しました。しかし日銀が追加利上げを見送っていることなどもあってその後は堅調に推移し、2025年6月現在80円台後半の値動きとなっています。

ニュージーランドドル/円チャート (10年)

注目指標はこれ !

貿易収支
ニュージーランド経済は農産品輸出への依存度が高いため、貿易収支の黒字が拡大するとNZドルも買われやすくなります。
<発表時期>
毎月下旬の日本時間7:45ごろ (夏時間は6:45ごろ)
GDTニュージーランド価格指数
ニュージーランドの主力輸出品のひとつである乳製品価格の変化を反映しています。月2回開催される世界酪農貿易 (Global Dairy Trade) オークションで販売される9種類の製品の価格変動の加重平均を対象としています。商品価格が上昇すると輸出収入が増加するため、ニュージーランドの貿易収支の先行指標とみなされます。
<発表時期>
毎月第1・第3火曜日。日本時間21:00過ぎ (夏時間は20:00過ぎ)
消費者物価指数 (CPI)
ニュージーランド統計局が四半期ごとに発表する同統計は、金融政策を占ううえで重要視されています。ニュージーランド準備銀行 (中央銀行) は年1~3%のインフレターゲットを設定し、金融政策を運営しています。
<発表時期>
1・4・7・10月中旬の日本時間7:45ごろ (夏時間は6:45ごろ)
失業率
ニュージーランド統計局が四半期ごとに発表しています。NZドルは、失業率の発表直後に価格が大きく変動することが多いようです。
<発表時期>
2・5・8・11月上旬の日本時間7:45ごろ (夏時間は6:45ごろ)
GDP (国内総生産)
ニュージーランド統計局が四半期ごとに発表しています。GDP成長率が大きく変化した場合、NZドル相場に影響をおよぼすこともあります。
<発表時期>
3・6・9・12月下旬の日本時間7:45ごろ (夏時間は6:45ごろ)
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