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2025年11月28日

「海外ブランド」から考える、資産のグローバル化

「海外ブランド」から考える、資産のグローバル化
(写真=maroke / stock.adobe.com)

欲しかった海外ブランドの時計やバッグ。日本の正規店で購入しようとしたところ、以前の価格より大幅に高くなっていて驚かされる。一方で、海外旅行に行った友人は、現地で同じものを日本の価格より安く購入できたと喜んでいる。

この「価格差」は、なぜ生まれるのか。それは、単なるブランド戦略の違いではなく、「為替レート」という経済の仕組みが大きく影響している。そして、この価格差は、ブランド品だけでなく、私たちの資産にも同様に影響を与えているのだ。

身近な買い物の違いから、資産のグローバル化という大きなテーマへと視点を広げてみよう。

「あのブランド」の価格差はなぜ ?

海外ブランドの多くは、本国の通貨で価格を設定している。このため、円安が進むと、ブランドが日本向けの商品を仕入れる際、以前より多くの日本円が必要になる。これが、私たちが国内で海外ブランド品を「高い」と感じる主な理由だ。

一方で、海外で現地通貨を使って買い物をする場合、レジで急に日本円の値段が変わるといった直接的な為替の影響は受けない。しかし、それは影響がないという意味ではない。現地通貨に両替する時や、クレジットカードで決済する時に、必ずその時点の為替レートの影響を受けているからだ。

また、外貨で資産を持っていれば、円安の時にその資産の円換算の価値は高くなる。これによって、円の価値が下がることによる海外での購買力の低下をある程度はカバーできる。
ただし、外貨を持っていても、為替の影響がゼロになるわけではない。具体的には、

1.持っている外貨と、買い物をしたい国の通貨との間のレートの変動
2.両替やカード決済の際に必ずかかる手数料やスプレッド (為替レートに上乗せされるコスト)

これら二つの影響は、外貨保有者にも依然として残るため、考慮が必要だ。

このように、円安による海外での価格差は、両替のタイミングや手数料を工夫することで一時的に抑えられても、根本的な影響からは逃れられない。

つまり、ブランド品の価格差は、円の「海外での購買力」が相対的に落ちていることを示している。そしてこの傾向は、ブランド品だけでなく、同じことが、あなたの持っている資産にも起こり得るのだ。

為替レートと「資産価値」の密接な関係

ブランド品の価格が為替レートで変動するように、資産も為替レートに密接に関わってくる。全資産を日本円で保有している場合、円安が進行すれば、あなたの資産の「グローバルな購買力」は低下することになる。

例えば、将来的に海外で買い物をしようと考えている場合、円安が進むと、同じ目標を達成するために必要な円の額がどんどん増えてしまう。これは、あなたが築き上げてきた資産が、知らず知らずのうちに目減りしている状態と言える。

ブランド品を選ぶように、資産も「分散」を選ぶ

お気に入りのブランドを一つに絞らず、複数のブランドから選んで楽しむように、資産もまた特定の通貨に偏らせるのではなく、「分散」させることが賢明だろう。

資産分散における円と外貨の役割

種類 主な役割 メリット
円預金 資産ポートフォリオの土台 円という通貨の安全性、いつでも引き出せる流動性
外貨預金 資産ポートフォリオの多様性 為替変動リスクの分散、円安ヘッジ、高金利の可能性

●円預金が持つ、基盤としての役割

私たちの生活の基盤は日本円だ。日々の生活費や不測の事態に備えるための資産は、流動性が高く、安全性が確保されている円預金で持つことが理にかなっている。円預金は、私たちの資産ポートフォリオの揺るぎない土台となる重要な資産だ。

●外貨預金がもたらす、世界の価値

一方で、外貨預金には、その土台に「世界の価値」を加える役割がある。外貨で資産を保有することで、為替変動リスクを分散し、特定の通貨に価値が集中するリスクを軽減できる。さらに、日本より金利が高い国の通貨で預金すれば、より高い金利収入を得られる可能性もある。

「グローバルな買い物」から「グローバルな資産形成」へ

時として「海外ブランドを海外で買うほうが安い」というシンプルな事実は、資産形成における重要なヒントになる。それは、資産もまた、ブランド品と同じようにグローバルな視点で管理することの重要性を示唆していると言ってもいい。

賢い買い物は、賢い資産形成につながる。円預金でしっかりと基盤を固めつつ、外貨預金を活用して資産に多様性を持たせること。 それは、あなたの資産を守り、将来の選択肢を広げるための重要な第一歩となるだろう。

資産の「海外ブランド」を選ぶように

資産をグローバルに考えることは、何も大富豪だけがすることではない。むしろ、私たちの日常生活に密接に関わることなのだ。

例えば、あなたが海外の株式や債券を保有していなくても、実は間接的に為替の影響を受けている。日本企業の中にも海外売上比率の高い企業は多く、これらの企業が円安によって収益を伸ばせば、株価にプラスの影響を与えることもある。経済は国境を越えて密接につながっており、私たちの資産もまた、その影響から逃れることはできない。

外貨預金は、そのグローバルな流れを自分の資産に取り込むための、比較的シンプルで手軽な方法の一つだ。しかし、外貨預金には為替変動リスクがある。円安になれば資産は増えるが、円高になれば円ベースでの資産価値は目減りする。このリスクを理解したうえで、自身のライフプランやリスク許容度に合わせて資産ポートフォリオに組み込むことが大切だ。

ブランド品を選ぶときのように、その「価値」や「背景」をよく調べ、自分に合ったものを選ぶ。資産形成もまた同じように、単に円を外貨に換えるだけでなく、なぜ、どの通貨に分散するのかを考えることが重要だ。

あなたの資産の未来を、ブランド選びのように考えてみてはいかがだろうか。

(提供:株式会社ZUU)

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