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2024年9月17日

お金の不安を解消しよう。年代別の悩みの傾向から考える資産運用戦略

お金の不安を解消しよう。年代別の悩みの傾向から考える資産運用戦略
(写真=One / stock.adobe.com)

お金の悩みは、年齢とともに変化するものである。若い世代は日々の資金繰りに苦労し、中高年になると老後資金の準備が大きな課題となる。こうした年代別の悩みの傾向を理解することで、自分に合った資産運用戦略を見つけ、不安を解消する手立てが見えてくる。

本記事では、こうした傾向を調査した最新のデータを紐解きながら、将来に備えるための資産運用の方法も紹介する。

年代別「お金の悩みに関して考える頻度」

金融庁の公式サイトで2024年3月に発表された「職域等における金融経済教育を推進するための手法等に関する調査」によれば、年代別に集計された「お金の悩みに関して考える頻度」は以下のようになっている。

年代 ほぼ毎日 週数回 月数回 年数回 ほとんど考えない 全く考えない
18~29歳 11% 11% 14% 11% 19% 34%
30~39歳 11% 10% 16% 14% 22% 27%
40~49歳 11% 9% 15% 16% 23% 26%
50~59歳 11% 8% 14% 18% 26% 22%
60~69歳 6% 6% 12% 19% 38% 20%

出典:金融庁「金融経済教育等の推進に向けた調査等支援業務 (職域等における金融経済教育を推進するための手法等に関する調査) 」

全世代において「ほぼ毎日」や「週数回」「月数回」「年数回」の合計は、いずれも40~50%台となっており、考える頻度は異なるものの、多くの人がお金の悩みを恒常的に抱えていることがうかがえる。

年代別「悩みの内容の傾向」

年代別に見ると、「資金繰りに関する悩み」の割合は年代が上がると減っていき、「老後資金の備えに関する悩み」は逆に高まっていく傾向があった。

年代 資金繰りに関する悩み 老後資金の備えに関する悩み
~20代 53% 7%
30代 48% 12%
40代 41% 20%
50代 36% 25%

出典:金融庁「金融経済教育等の推進に向けた調査等支援業務 (職域等における金融経済教育を推進するための手法等に関する調査) 」
※資金繰りに関する悩みは「日々の資金繰りに関する悩み」と「資金繰りの悩みを伴う借入に関する悩み」の合計値

「~20代」と「50代」を比較すると、資金繰りに関する悩みの割合は「53%→36%」に減っている。一方、老後資金の備えに関する悩みは「7%→25%」に増えていることが分かる。

20~30代は「少しずつ積み立て」で慣れよう

紹介したデータから、20~30代は資金繰りで悩んでいる人が多いことが分かる。そのため、この世代が資産運用に取り組む場合は、まとまった資金を一気に投資に充てるよりも給与の一部を少しずつ積み立てしていく方法などが向いている。

少額から始められる投資手法としては、金 (ゴールド) の積立や円預金の積立などがあるが、なかでも高金利のメリットを享受できる「外貨積立」は特に魅力的である。

外貨積立とは ?

外貨積立とは、定期的に外貨を購入し、外貨預金として積み立てていく投資手法である。外貨預金は、円預金に比べて高い金利が期待でき、外貨を保有し続けることで安定した利息収入を得られるため、初心者向きの資産運用法といえる。積立方式にすることで、購入タイミングを自動的に分散し、為替変動のリスクを軽減できる。

40~50代は「積極的に余剰資金の運用」をしよう

一方、40~50代は資金繰りに関する悩みは減り、逆に老後資金に関する悩みが増えていく傾向があった。そのため積極的に余剰資金を運用し、老後資金をつくることに尽力したい。

ただし、積極的な運用を行う場合でも「守りの視点」は必要になる。投資先を複数に分け、極端な資産の目減りを防ぐ「分散投資」の重要性をよく理解したうえで、将来的なインフレ対策の備えもできるのが理想だ。

外貨運用で資産を守る

資産運用として株式投資に取り組んでいる人も、投資資産の一部に外貨を組み入れれば、分散投資の効果が出てくる。保有株式の価値が急落しても、そのときに外貨の価値が極端な下落に見舞われていなければ、株式下落が保有資産全体に与える影響を小さく抑えられるからだ。

また、外貨預金は円預金に比べて高い金利を定期的に得られるため、インフレによる物価上昇が続くような場面でも、実質的な資産価値の目減りを抑える手段となる。

ちなみにインフレは、日本円の価値が下がる「円安」のときに起きやすい傾向だ。輸出への依存度が高い日本においては、円安になると海外からの輸入コストが上がるため、物価上昇を招きやすい。ただ、このときに外貨建て資産を保有していると、外貨建て資産の価値は円安だと逆に上昇するため、実質的にインフレ対策となる。

日本の公的年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」 (GPIF) も、運用資金の半分は外貨建て資産となっている。

豊かな老後に向けて資産運用を成功させよう

お金に関する悩みは、人それぞれだ。しかし老後資金に関する悩みの割合は、年代が上がるごとに増えていく傾向がある。

40~50代は、分散投資の重要性を十分に理解しながら余剰資金を積極的に運用し、より豊かな老後を送れるように準備しておきたい。そして資産運用に取り組む際は、リスクヘッジとして投資資産の一部に外貨を組み入れることを検討してみてはいかがだろうか。

(提供:株式会社ZUU)

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