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2024年2月22日

貯蓄格差はコレが原因で生まれる。貯蓄を増やすためにやっておくべきこと

貯蓄格差はコレが原因で生まれる。貯蓄を増やすためにやっておくべきこと
(写真=takasu / stock.adobe.com)

老後に向けての貯蓄は、多くの人が少なからず行っていることだ。しかし、実際の貯蓄額を確認すると大きな格差が生まれていることが分かる。本記事では、65歳以上の世帯のリアルな貯蓄事情や貯蓄格差が生まれる理由などについて解説していく。

顕著に表れる貯蓄格差

総務省統計局の「家計調査報告 (貯蓄・負債編) 」の2022年 (令和4年) における平均結果によると、世帯主が65歳以上の世帯 (2人以上) の貯蓄現在高は、中央値が1,677万円、平均値が2,414万円だった。一方、中央値の約半分となる貯蓄現在高が800万円以下の世帯も30%程度おり、世帯によってかなり貯蓄額に格差があることが分かる。

貯蓄格差が発生する原因

貯蓄格差が発生する原因として、当然現役時代の収入額や支出額の違いが考えられる。しかし単純にこれだけが原因とはいえない。ほかにも、資産運用の有無が大きな原因の一つとなっている可能性がある。

資産運用をした場合としない場合のシミュレーション

ここで、積立投資で資産運用をした場合と資産運用をせずにただ貯蓄をし続けた場合の差異を比較してみよう。具体的には、年間5%のリターン (利回り) が出る想定で毎月10万円を10年間積み立てた場合の最終的な資産額と、毎月10万円をただ貯蓄し続けた場合を比較してみる。

年数 積立投資 貯蓄のみ 金額の差
1年目 約122万8,000円 120万円 約2万8,000円
2年目 約251万9,000円 240万円 約11万9,000円
3年目 約387万5,000円 360万円 約27万5,000円
4年目 約530万1,000円 480万円 約50万1,000円
5年目 約680万1,000円 600万円 約80万1,000円
6年目 約837万6,000円 720万円 約117万6,000円
7年目 約1,003万3,000円 840万円 約163万3,000円
8年目 約1,177万4,000円 960万円 約217万4,000円
9年目 約1,360万4,000円 1,080万円 約280万4,000円
10年目 約1,552万8,000円 1,200万円 約352万8,000円

金融庁のサイトでシミュレーション

積立投資をした場合、10年目には資産は約1,552万8,000円に増えているが、ただ貯蓄をした場合は1,200万円にとどまる。その差は約352万8,000円だ。

ちなみに積立期間が20年になると、その差はさらに顕著となる。同条件で積立投資をした場合、20年目に約4,110万3,000円となるが、ただ貯蓄をした場合は2,400万円で、その差は約1,710万3,000円まで拡大する。

資産運用の方法は何を選ぶべきか

資産運用の方法は数多くあるが、仕事や子育てなどで忙しい現役時代に行うなら、手間の面で負担が少ない積立投資がおすすめだ。なかでも外貨預金を積み立て型で行う「外貨積立」は、初心者でも取り組みやすい資産運用法の一つだ。

外貨積立のメリット

外貨積立は「外貨預金」と「積立投資」を組み合わせた資産運用の手法だ。外貨預金も積立投資も、手間の面で負担があまり発生しないことが特徴といえる。

例えば「外貨預金」と「株式投資」を比較すると、株式投資の場合は数多くある銘柄のなかから投資先をじっくりと選別することが必要になる。しかし外貨預金の場合は、保有する典型的な外貨の種類は数種類に限られており、選択の手間は株式投資ほどかからない。

さらに、「積立投資」と「タイミングを見計らって買い増す」という2つのスタイルを比べてみる。一般的に積立投資は、同じ頻度で同じ金額を積み立てていくアプローチをとる。一方、タイミングを見計らって買い増しをしていくスタイルの場合、経済や金融に関するニュースのチェックなどをこまめに行い、かつチャートの分析なども必要だ。手間の差は、歴然であることが分かるだろう。

外貨積立の始め方

ここでは、大和ネクスト銀行の場合を例に説明する。口座を開設したら取引用サイトに進み、「外貨積立」の申し込みを行う。外貨での積み立てとなるため、外貨預金口座の開設がまだの人は手続きを行おう。

外貨積立における対象通貨は「米ドル」と「豪ドル」となり、積立日と積立金額を指定する。積立日は毎月10日・25日で、どちらか一方もしくは両方を指定することが可能だ。積立金額は、1,000円以上500万円以下となり1,000円単位で指定する。このように、毎月決まった額を積み立てていくことで、自動的に買付時期をずらすことができ、投資におけるリスクヘッジ手法の一つである「時間分散」を実現できる。これは、積立投資の大きなメリットだ。

また、大和ネクスト銀行では、複数の積み立て申し込みも可能だ (ただし同一通貨かつ同一積立日の積み立て申し込みは1件限り) 。米ドルと豪ドルの両方でそれぞれ積み立てをすると、「時間分散」と同様に代表的なリスクヘッジ手法である「資産の分散」も行うことができ、投資の安全度を高めやすい。

慣れたらほかの資産運用にもチャレンジしてみよう

資産運用は、複数の方法を組み合わせるのが理想だ。外貨積立だけで終わらず、慣れてきたらそのほかの資産運用にもチャレンジしてみよう。

ただしシニア予備軍の場合、リスクのとりすぎには注意したい。なぜなら大きな損失が出た場合、労働による収入増などで損失を穴埋めすることが難しくなるからだ。そのため、ハイリスク・ハイリターンの金融商品は避けるようにしたい。また、必ず余剰資金で行うことを忘れないようにしよう。

(提供:株式会社ZUU)

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