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2023年11月16日

ドル円と株式、年間の最大変動幅は ? 過去20年の値動きと変動要因を分析

ドル円と株式、年間の最大変動幅は ? 過去20年の値動きと変動要因を分析
(写真=taa22 / stock.adobe.com)

資産運用を考える上で、投資対象とする資産の価格がどれくらい変動する可能性があるのかを把握しておくことは重要だ。

そこで、代表的な投資対象として挙げられる「外貨」と「株式」に着目し、過去20年でどれくらい価格が変動しているのかを、変動要因とともに見ていこう。

資産の価格変動幅を知っておく重要性

投資対象とする資産の価格変動幅を知っておくと、リスクとリターンの大体の最大値が把握できる。もちろん、過去のデータ以上の値動きをする場合もあるが、目安を知ることで想定範囲内でのリスク対策は取れるようになるだろう。

また、最大リスクの目安を知れば、許容できるリスクから逆算して投資額を検討することができる。仮に年間で400万円の資産の下落を許容できるとして、投資対象の資産の下落リスクの目安が最大で20%なら、投資できるのは2,000万円ということになる。

ドル円相場の過去20年の値動き

以下は、ドル円相場の過去20年間の値動きだ。最も大きい値上がり幅は△21.47% (2012年) 、最も大きい値下がり幅は▲18.67% (2008年) となっている。

騰落率 取引最終日の終値
2022年 △13.91% 131.101円
2021年 △11.47% 115.090円
2020年 ▲4.94% 103.252円
2019年 ▲0.97% 108.623円
2018年 ▲2.63% 109.684円
2017年 ▲3.70% 112.651円
2016年 ▲2.67% 116.978円
2015年 △0.25% 120.191円
2014年 △13.92% 119.892円
2013年 △21.47% 105.243円
2012年 △12.71% 86.638円
2011年 ▲5.25% 76.865円
2010年 ▲12.85% 81.121円
2009年 △2.43% 93.081円
2008年 ▲18.67% 90.871円
2007年 ▲6.08% 111.736円
2006年 △0.88% 118.970円
2005年 △14.78% 117.930円
2004年 ▲4.08% 102.740円
2003年 ▲9.77% 107.110円

△はプラス、▲はマイナス / 騰落率はその年の最終取引日の終値と前年の最終取引日の終値で比較 (TradingView参照)

ドル円相場の価格の変動要因は ?

ドル円相場は日米の「金利」の変動などの影響を受ける。例えば、直近の2021年と2022年はアメリカでの利上げ観測、ならびに実際の利上げによってドルに資金が流入した結果、円安が進み2021年は△11.47%、2022年は△13.91%となった。

日経平均株価の過去20年の値動き

以下は、日経平均株価の過去20年間の値動きだ。最も上がった年は△56.72% (2013年) 、最も下がった年は▲42.12% (2008年) だった。

騰落率 取引最終日の終値
2022年 ▲9.37% 26,094.43円
2021年 △4.91% 28,791.64円
2020年 △16.01% 27,444.10円
2019年 △18.20% 23,656.62円
2018年 ▲12.08% 20,014.77円
2017年 △19.01% 22,764.94円
2016年 △0.42% 19,114.37円
2015年 △9.07% 19,033.71円
2014年 △7.12% 17,450.77円
2013年 △56.72% 16,291.31円
2012年 △22.94% 10,395.18円
2011年 ▲17.34% 8,455.35円
2010年 ▲3.01% 10,228.92円
2009年 △19.04% 10,546.44円
2008年 ▲42.12% 8,859.56円
2007年 ▲11.13% 15,307.98円
2006年 △6.92% 17,225.83円
2005年 △40.24% 16,111.43円
2004年 △7.61% 11,448.76円
2003年 △24.45% 10,676.64円

△はプラス、▲はマイナス / 騰落率はその年の最終取引日の終値と前年の最終取引日の終値で比較 (TradingView参照)

日経平均株価の価格の変動要因は ?

株価は投資家のセンチメント (感情・心理) の影響を受けやすい。2008年はリーマンショックによって経済不安が広がり、日経平均株価は大きく下落した。その後、第2次安倍政権による「アベノミクス」によって企業収益の高まりに対する期待感が増し、日経平均株価は回復に転じた。

S&P500の過去20年の値動き

以下は、アメリカの主要な株価指数の一つである「S&P500」の過去20年の値動きだ。最もパフォーマンスが良かった年は2019年で△28.88%、最も悪かった年は2008年で▲38.49%だった。

騰落率 取引最終日の騰落率
2022年 ▲19.44% 3,839.49
2021年 △26.89% 4,766.19
2020年 △16.26% 3,756.08
2019年 △28.88% 3,230.78
2018年 ▲6.24% 2,506.85
2017年 △19.42% 2,673.61
2016年 9.54% 2,238.83
2015年 ▲0.73% 2,043.94
2014年 △11.39% 2,058.90
2013年 △29.60% 1,848,36
2012年 △13.41% 1,426.19
2011年 ▲0.01% 1,257.60
2010年 △12.78% 1,257.64
2009年 △23.45% 1,115.10
2008年 ▲38.49% 903.25
2007年 △3.53% 1,468.36
2006年 △13.62% 1,418.30
2005年 △3.00% 1,248.29
2004年 △8.99% 1,211.92
2003年 △26.38% 1,111.92

△はプラス、▲はマイナス / 騰落率はその年の最終取引日の終値と前年の最終取引日の終値で比較 (TradingView参照)

S&P500の価格の変動要因は ?

2008年のパフォーマンスが悪かったのは日経平均株価と同様、リーマンショックの影響だ。また、低金利は株価にとって追い風で、2020年にはコロナショックによる経済へのダメージを軽減するためにアメリカで利下げが行われ、コロナショックによるダメージを吹き飛ばすほどの株高につながった。

「外貨預金+α」という発想

過去のデータからも分かるように、年によっては投資対象の資産価値は大きく下落する。そのため、例えば安定的に預金利息が得られる外貨預金を資産運用の核に据える場合でも、「+α」の投資を別に行うことは決して悪いことではない。

ある年に米ドルの価格が大きく下落したとしても、ほかの資産の価格が下落に見舞われなければ、資産ポートフォリオ全体ではダメージが軽減されるからだ。このように、ポートフォリオの検討では「守り」の視点を持つことが非常に重要だ。

どの外貨を選ぶか考える際にも

本記事では「外貨」と「株式」を取り上げ、外貨においては外貨預金の王道である米ドルの過去の値動きを紹介した。しかし、外貨には米ドルのほかにもユーロ、豪ドル、英ポンド、トルコリラなどと、さまざまな通貨がある。

これらはそれぞれで値動きの傾向が異なってくるので、どの外貨で預金をするか決める際には、リスクとリターンの目安を知るため、過去の値動きを調べてみるようにしたい。

(提供:株式会社ZUU)

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