2023年8月25日
金融取引を始めると、さまざまな用語に出会うことが多い。それらは、トレンドやパターンを把握し今後の株価・為替動向を予想するためのヒントとなる。
本記事では、代表的な相場用語を紹介し、どのように取引に活かせるのかについて解説していく。
「三兵 (さんぺい) 」とは、3本のロウソク足の特徴的な並び方のことだ。「赤三兵 (あかさんぺい) 」は陽線が平行して上方向に3つ続いているもの、「黒三兵 (くろさんぺい) 」は陰線が平行して下方向に3つ続いているものをいう。
連続したロウソク足を見つけることはテクニカル分析の基本で、三兵が見られたあとはトレンドが形成されることが多い。
三兵を見つけたら、3つ並んだ足が平行に近い形で一定方向に続いているかをしっかりと確認した上で、今後のチャートの予測に役立てたい。
レンジ相場において有効
三兵は、トレンド相場においてその効力を発揮することはない。トレンド相場で赤三兵を確認したからといって逆張りすると、大きな損失を出すことになりかねないので注意が必要だ。あくまでも「レンジ相場からトレンド相場への転換を示唆するもの」と理解しておこう。
「移動平均乖離率」とは、現在の価格が移動平均線からどれくらい離れているかを割合で示したものだ。
移動平均線に対して価格が離れすぎていると価格が上下に行きすぎた状態であるため、修正する動きをとると予測することができる。この特性から、株式が「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」といった判断材料に使われる。
逆張りのタイミングに活用
移動平均乖離率は、価格の天底を判断し「そろそろ相場が反転する」と予想する材料となるため、主に逆張りに活用できる。
具体的には、価格が移動平均線から大きく上に離れて乖離率がプラスに大きく変動した場合は、「売り」のサイン。一方、乖離率がマイナスに大きく変動した場合は「買い」のサインと捉えることができる。
ストキャスティックスとは、一定期間の株価の一番高かった値段と安かった値段の値幅に対して現在の株価がどれくらいの位置にいるかを数値化したものである。その数値を見ていわゆる「売られすぎ」「買われすぎ」といった相場の過熱度を知ることが可能だ。
基本的に株価と日数の振幅をもとに計算し先行する「%K」と%Kを移動平均化した「%D」という動きが異なる2本のラインで構成される。また、%Dを一定期間平均化した「Slow%D」を利用する場合もある。
ボックス相場で効果を発揮
ラインの水準やクロスの仕方から相場の転換点や割高、割安の売買タイミングを探すことができる。例えば「%K」と「%D」が20~30%以下だと売られすぎ、70~80%以上だと買われすぎと見るのが一般的だ。
主にボックス相場やレンジ相場において効果を発揮し、「逆張り」の投資手法として利用されている。
RSIとは、Relative Strength Indexの略で和訳すると「相対力指数」のことを指す。一定期間の相場における値動きの強弱を数値で表し「買われすぎなのか」「売られすぎなのか」を判断するときに使われる指標だ。
株価のボトム・ピークを判断
RSIは0~100%の間で推移し、数値が大きいほど相場が強く、反対に数値が0%に近いほど相場が弱いことを表す。つまり、株価のボトム・ピークを判断することができる。
RSIが70~80%以上は買われすぎ、20~30%以下は売られすぎと判断し、逆張りの目安として使われるのが一般的だ。
MACDは、Moving Average Convergence Divergenceの略で「マックディー」と呼ばれる。日本語では「移動平均収束拡散法」を意味する。
短期と中長期の「移動平均線」の2本を活用してトレンドの転換点を予測し、売買のタイミングを判断するために使われるのが一般的だ。
推移から売り・買いのタイミングを判断
MACDは、基本線であるMACDとシグナルと呼ばれる2本のラインで構成され、その推移からマーケットを読み取る。例えば以下がよくある活用方法だ。
① MACDが下向き (右肩下がり) でシグナルがMACDより上にある場合、相場は弱い
② ①のあと、MACDがシグナルを上抜ける「ゴールデンクロス」は「買い」のサインと捉える
③ MACDが上向き (右肩上がり) でシグナルを上回っているときは相場が強いと捉える
④ ③のあと、MACDがシグナルを下抜ける「デッドクロス」は「売り」のサインと捉える
相場用語を知ることで、株価・市場分析において非常に役立つ知識も同時に得られる。理解している人としていない人では、投資の結果も変わってくるだろう。
相場用語を十分に理解し、実際に使いこなせるようになるまでには時間がかかるかもしれないが、少しずつでもインプットしてぜひ取引に活用してほしい。
(提供:株式会社ZUU)