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2023年1月16日

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年収、将来性から考える ! おすすめしたい「国家資格」は ?

年収、将来性から考える ! おすすめしたい「国家資格」は ?
(写真=aijiro / stock.adobe.com)

「将来、どんな仕事に就こうか迷っています」。若い人からこんな相談を受けたとき、あなたは人生の先輩としてどう応じるだろうか。その際、国家資格の取得を勧めるのは堅実なアドバイスだろう。資格ごとにどのくらいの年収や将来性があるのかも伝えられれば、なおよしだ。

将来について相談されたら・・・

年を重ねた人生の先輩として、若い人から相談を受けたときのための身構えはある程度しておきたいところだ。国家資格の取得を提案するのもありだが、その業務内容や平均年収などを知らないままアドバイスするのは、やや無責任と言えるかもしれない。

そこでこの記事ではランキング形式で、国家資格の取得が必要な職業の平均年収を紹介していく。

国家資格が必要な職種の平均年収を比較

厚生労働省は毎年、「賃金構造基本統計調査」を公表しており、その中で職種別の月収と賞与額を明らかにしている。月収と給与額から職種別の平均年収が算出できるため、今回はこの賃金構造基本統計調査の2021年版のデータを参照する。

2021年版は、2022年3月に結果が公表された。掲載されている職種データのうち、国家資格の取得が必要な職種に限って平均年収をランキング化すると、以下のような順となる。

▽国家資格を要する主な職業の平均年収
職業 月収 賞与 合計
医師 105万400円 117万8,100円 1,378万2,900円
航空機操縦士 81万7,800円 90万8,900円 1,072万2,500円
公認会計士・税理士 44万8,600円 120万2,600円 658万5,800円
獣医師 42万5,000円 82万800円 592万800円
薬剤師 40万3,600円 96万2,200円 580万5,400円
助産師 38万7,600円 88万7,600円 553万8,800円
診療放射線技師 37万2,400円 99万7,900円 546万6,700円
看護師 34万4,300円 85万4,600円 498万6,200円
臨床検査技師 33万7,800円 91万1,000円 496万4,600円
歯科技工士 31万3,700円 50万9,000円 427万3,400円
理学療法士・作業療法士など 29万6,000円 71万3,400円 426万5,400円
保健師 32万3,800円 9万2,900円 397万8,500円
歯科衛生士 27万8,600円 52万3,300円 386万6,500円
幼稚園教員・保育教諭 25万6,400円 78万9,400円 386万6,200円
保育士 25万6,500円 74万4,000円 382万2,000円
栄養士 25万5,500円 60万9,600円 367万5,600円
理容・美容師 26万5,000円 6万700円 324万700円

年収が高い職種もあれば低い職種もある

「医師」と「航空機操縦士」は平均年収が1,000万円を超えており、それぞれ1,378万2,900円、1,072万2,500円だった。「公認会計士・税理士」は658万5,800円という結果だ。

国家資格を持っていても、職種によっては平均年収に大きな開きがあるということも分かる。国税庁によると日本人の平均年収は433万円 (※) だが、「栄養士」の平均年収は367万5,600円、「理容・美容師」の平均年収は324万700円にとどまる。

若い人から人生相談を受けたときは、こうした実態も知りつつアドバイスをするべきだろう。ただし、「現在の年収」だけをベースに助言をするのも、いささか考えものだ。長い人生においてお金だけが人生を豊かにするわけではないし、若い人にとっては職種ごとの「将来性」も重要な要素となるからだ。

※参考:国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」

「時代の移り変わり」に関する視点も提供すべき

AI (人工知能) がさまざまな業務で活躍するようになり、将来的には無くなってしまうような国家資格が出てきたり、平均年収が大きく落ち込む職種が出てきたりするかもしれない。

例えば、税のエキスパートである税理士の仕事はどうなるだろうか。東欧のエストニアでは、行政のIT化が進み、個人向けの税理士の仕事はなくなってしまったとも言われている。

無人操縦技術が発達すれば、航空機操縦士の仕事はどうなるだろうか。世界各国で研究開発が進んでおり、航空機ではないものの、自動車運転の分野では公道での自動運転も試験的に行われているところだ。

もちろん税にかかわる相談やアドバイス、事業承継やM&Aに関する支援など、税理士の仕事のなかでも完全にAIに置き換わることが難しいものもあるだろう。航空機操縦士についても、多くの乗客の命をAIが預かれるのか、という点には議論の余地もある。

それでも相談に応えるという意味においては、こうした視点も若い人に提供したいところだ。

また時代の移り変わりとともに、新たな国家資格がどんどん増えていく可能性についても触れたい。最近では、2021年に新たに「賃貸不動産経営管理士」が国家資格となったほか、2018年には国家資格となった「公認心理師」の第1回試験も実施されている。

つまり、「これから世の中がどう変わるか」「いまどう変わりつつあるか」という視点を持つことの重要性を説くことも必要であると言えよう。

人生相談を受ける準備をしておこう

いつどんなときに若い人から人生相談を受けるかは分からない。そんなときのために、若い人に良い情報、良い視点を与えられるよう、人生の先輩としてしっかりと準備をしておきたい。国家資格に関して知っておくことは、そうした準備につながると言える。

(提供:株式会社ZUU)

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