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2022年10月28日

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2011年~2013年の1円玉に5000円の価値が付く理由

2011年~2013年の1円玉に5000円の価値が付く理由
(写真=watoson / stock.adobe.com)

「ギザ付きの10円が100円で売れた」のように、珍しい硬貨が高値で売れる話は誰もが聞いたことがあるはずだ。そんな中、実は2011~2013年の1円玉には5,000円の価値がつけられている。
たった1円になぜこのような高値がつけられているのか、今回は資産運用の話と交えながら解説していこう。

1円玉の価値が5,000倍に ? 2011~2013年の発行枚数が激減したワケ

一般的に1円玉などの貨幣の価値は、その年の発行枚数が少ないほど高くなると言われている。例えば、約1週間しか発行されなかった昭和64年の500円玉にはプレミアがついており、今では1枚あたり600円前後の相場で取引されている。

2011~2013年の1円玉にプレミアがついているのも、この発行枚数が大きな理由だ。以下の表を見ると分かるように、2011~2013年の3年間は1円玉の発行枚数が極端に少ない。

時期 1円玉の発行枚数
2009年 48,003枚
2010年 7,905枚
2011年 456枚
2012年 659枚
2013年 554枚
2014年 124,013枚
2015年 82,004枚

(参照 : 造幣局「年銘別貨幣製造枚数」)

2011年と言えば、ちょうど日本では電子マネーの普及が始まった時期である。つまり、キャッシュレス化の波が訪れたことで、1円玉をはじめとする少額硬貨の需要は激減し、そのうちのいくつかはプレミア硬貨として扱われるようになった。

1円玉以外にキャッシュレス化の影響を受けた硬貨

2011~2013年には、1円玉以外にもキャッシュレス化の影響を受けた硬貨がある。どの硬貨が該当するかは、以下の発行枚数を見れば一目瞭然だ。

硬貨の発行枚数
時期 1円玉 5円玉 10円玉 50円玉 100円玉 500円玉
2011年 456枚 456枚 255,936枚 456枚 178,936枚 301,936枚
2012年 659枚 659枚 279,211枚 659枚 402,211枚 267,211枚
2013年 554枚 554枚 100,892枚 554枚 608,892枚 137,892枚

(参照 : 造幣局「年銘別貨幣製造枚数」)

2011~2013年に発行された硬貨の枚数は、「1円玉・5円玉・50円玉」が圧倒的に少ない。実際に、これらの硬貨はすべてプレミアがついており、1枚あたりの相場が2,000円を超えているものも存在する。

一方で、10円玉や100円玉、500円玉については、前後の年と比較しても発行枚数に大きな違いはなかった。キャッシュレス化の波が進んだとは言え、これらの硬貨は日常のショッピングでも使い勝手が良いことから、需要がそこまで減らなかったものと考えられる。

特に価値が高いプレミア硬貨の一覧表

ここまで読み進めた方であれば、当然「ほかにはどんなプレミア硬貨があるの ? 」と疑問に感じるだろう。そこで以下では、前述で紹介した以外のプレミア硬貨を一覧表でまとめた。

硬貨の種類 発行年 大まかな相場 プレミアがついている理由
1円玉 2016年 (平成28年) 3,000円 キャッシュレス化の再加速により、発行枚数が減らされたため。
2017年 (平成29年) 3,000円 同上。
5円玉 2000年 (平成12年) 20円 新500円玉に製造ラインが集中した影響で、発行枚数が減ったため。
2010年 (平成22年) 2,000円 キャッシュレス化の影響をいち早く受けたため。
10円玉 1958年 (昭和33年) 100円 ギザ付の10円玉としては、最も発行枚数が少ないため。
1986年後期 (昭和61年) 20,000円 昭和62年用のデザインのものが、手違いによって昭和61年の後期にだけ発行されたため。
50円玉 1987年 (昭和62年) 4,000円 製造枚数の関係で、貨幣セット用のみの発行となったため。
2019年 (平成31年) 2,000円 貨幣セット用のみ以外では、歴代で最小の発行枚数となったため。
100円玉 1964年 (昭和39年) 300円 銀貨として造られた100円玉のうち、最も製造枚数が少ないため。
2001年 (平成13年) 300円 新500円玉に製造ラインが集中した影響で、発行枚数が減ったため。
500円玉 1987年 (昭和62年) 1,000円 市場の需要が少なかった影響で、発行枚数が減らされたため。
1989年 (昭和64年) 600円 発行期間が約1週間しかなかったため。

(※実際の相場は時期によって異なる)

上記に該当するプレミア硬貨を見つけたら、普段の買い物で使わないよう別の場所に保管しておこう。

珍しい硬貨は中長期の投資対象になる可能性も

ほかにもプレミア硬貨はいくつかあり、印刷がずれている「エラーコイン」も高い値がつく硬貨として知られている。そのような珍しい硬貨は、時間が経過するほど価値が高まる傾向にあるので、モノによっては中長期の投資対象になるかもしれない。

実際にオークションサイトなどを覗いてみると、多くのプレミア硬貨が出品されている。「将来的に価値が伸びるかもしれない」と感じた硬貨を見つけたら、そういったサイトやアプリから購入するのもひとつの手だ。

ただし、硬貨は錆びやすい特性をもっているため、長期保有をする場合は保管方法にも気をつける必要がある。保存状態はプレミア硬貨の価値を大きく左右するので、貴重な硬貨を手に入れたら正しい保管方法を調べて、厳重に保管することを心がけよう。

1枚あたり1万円を超えるものは立派な投資対象

プレミアがついた硬貨はいくつかあり、特に発行枚数が少ないものは高値で取引できる可能性がある。なかでも1986年後期の10円玉のように、1枚あたり数万円で取引されるような硬貨は立派な投資対象と言えるだろう。

新たな資産運用や投資対象を探している方は、まずは自宅などの身近なところからプレミア硬貨を探してみてほしい。

(提供:株式会社ZUU)

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