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2022年10月24日

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外貨預金、利用経験者は何% ? 預金額は ? アンケート調査をもとに徹底解明

外貨預金、利用経験者は何% ? 預金額は ? アンケート調査をもとに徹底解明
(写真=茂希 長沼 / stock.adobe.com)

近年、中長期の資産形成や分散投資の手段として注目される「外貨預金」。日本円での預金や国内株とは異なる特性をもつため、投資先として興味をもっている方も多いだろう。
本記事では実際のアンケート調査をもとに、経験者の割合や預金額などの利用状況をまとめた。外貨預金を始めようか迷っている人は、ぜひ参考にしてほしい。

外貨預金とは ? 調査結果から見る利用状況

外貨預金とは、日本円ではなくドルやユーロなどの外貨を使った預金である。外貨は為替レートの影響を受けるため、市況によっては金利だけではなく為替差益による利益も発生する。

近年、外貨預金の利用者は増えていると言われるが、実際にはどれくらいの人が利用しているのだろうか。ここからは、マイボイスコム株式会社が公表した「【外貨預金の利用】に関するアンケート調査 (第10回) 」をもとに、外貨預金の利用状況を紹介していく。

外貨預金の利用経験者の割合は ?

まずは、第10回アンケート調査における「外貨預金の利用経験」に関するデータを見ていこう。

「外貨預金をしたことがありますか ? 」に対する回答 割合
【1】現在している 12.3%
【2】以前していたが、現在はしていない 10.3%
【3】したことがない 77.4%

▽マイボイスコム株式会社「外貨預金に関するアンケート調査」を元に作成

現在、外貨預金をしている人の割合は1割強だが、利用経験者は全体の22.6%であり (【1】・【2】の合計) 、5人に1人は利用を経験している結果となった。では、第10回以前のアンケート結果から、利用経験者がどれくらい変化しているのかを調べてみよう。

アンケートの実施回 利用経験者の割合
第1回 (2001年5月) 13.6%
第2回 (2002年5月) 15.0%
第3回 (2003年5月) 17.0%
第4回 (2005年5月) 18.0%
第5回 (2007年7月) 該当設問なし
第6回 (2009年5月) 該当設問なし
第7回 (2011年5月) 20.7%
第8回 (2014年5月) 19.8%
第9回 (2017年5月) 20.4%
第10回 (2020年5月) 22.6%

▽マイボイスコム株式会社「外貨預金に関するアンケート調査」を元に作成

外貨預金の利用者は2000年代初頭から増加しており、第1回から第4回にかけて利用経験者は4.4ポイント増加している。第5回と第6回は該当する設問がないため言及しないが、2011年~2017年の調査では20%前後と第4回までに比べて関心が高まっていることがうかがえる。2020年の調査ではさらに2ポイント伸ばして22.6%となっている。

どのように外貨預金を利用している ?

次は、同調査 (第10回) における「外貨預金の利用方法」に関するデータを見ていこう。

外貨預金の利用方法 回答者の割合
(※複数回答可)
金利がよいので、中長期間で保有し、金利差益を求める 39.4%
為替レートの変動を利用し、中長期間で保有し、為替差益を求める 24.6%
資産のポートフォリオの一環として、リスク分散のため、組み入れている 13.2%
日本円自体に不安を感じているのでリスク分散のため、運用している 12.8%

▽マイボイスコム株式会社「外貨預金に関するアンケート調査」を元に作成

上記の結果から、外貨預金の利用者は「中長期の金利差益・為替差益」を主な目的にしていることが分かる。外貨には年利が3%を超えるような通貨も存在するため、特に金利差益を狙って外貨預金を始める人は多い。

ちなみに、国内の年金保険料を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) 」も、2014年以降は外貨資産比率を増やしている。その結果、2016年度には収益を大幅に増やすことに成功しているため、ポートフォリオに外貨を組み込む効果は大きいと考えられるだろう。

外貨預金をするきっかけとなったのは ?

次は、外貨預金をするきっかけとなった情報源のアンケート結果 (第10回) を紹介しよう。

外貨預金を利用するきっかけとなった情報源 回答者の割合
(※複数回答可)
金融機関のWebサイト 38.0%
金融機関の担当者のアドバイス 15.9%
家族や友人・知人 9.8%

▽マイボイスコム株式会社「外貨預金に関するアンケート調査」を元に作成

直近4回分の推移を見ると、「金融機関のWebサイト」をきっかけに外貨預金を始めた人が増えている。そのほかの情報源は全体的に減少傾向だが、地方銀行や証券会社の利用者、60~70代などの層は、「金融機関の担当者のアドバイス」から始めることも多いようだ。

なお、近年ではさまざまな金融機関が外貨預金をPRしており、専用のWebページが設けられているケースも少なくない。商品概要だけではなく基礎知識も学べるので、外貨預金に対して不安を抱えている場合は積極的に活用しよう。

外貨預金の預金額は ?

最後に、第8回~第10回アンケート調査における、「外貨預金の金額」に関するデータを紹介する。

外貨預金の金額 第8回の回答者割合 第9回の回答者割合 第10回の回答者割合
10万円未満 10.7% 12.7% 17.2%
10~50万円未満 19.4% 19.7% 19.2%
50~100万円未満 19.4% 17.6% 15.7%
100~200万円未満 17.8% 17.6% 16.6%
200~300万円未満 9.5% 9.8% 8.5%
300~500万円未満 8.1% 8.4% 8.7%
500~1,000万円未満 7.0% 6.7% 6.2%
1,000万円以上 7.7% 6.2% 7.1%

▽マイボイスコム株式会社「外貨預金に関するアンケート調査」を元に作成

直近3回分の推移を見ると、「10万円未満」と回答した人の割合が増えている。一方で、外貨預金に「50万円~300万円未満」を充当している層は減少しているため、近年では少額資産の運用先として利用するケースが多いと考えられる。

10万円未満などの少額であっても、外貨預金は資産ポートフォリオの調整・構築に活用できるため、分散投資の選択肢として検討してみてはいかがだろうか。

外貨預金は分散投資にも役立つ金融商品

為替差益を狙った投資や中長期の資産運用など、外貨預金にはさまざまな活用方法がある。また、分散投資にも役立つ側面があるので、教育資金や老後資金の形成を目的にしている方は、ポートフォリオに組み込むことを積極的に検討したい。

ただし、実際の運用では知識や情報が必要になるため、まずは各金融機関が公開しているWebページなどをチェックし、金融商品としての特徴を押さえていこう。

(提供:株式会社ZUU)

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