2019年2月13日
あなたは「お金」と「時間」、どちらにより価値を感じているだろうか。通常「お金」と「時間」はトレードオフの関係にあることが多く、「お金」を追求すれば「時間」を犠牲にせざるを得ず、「時間」を追及すれば「お金」が犠牲になるケースが多い。例えば、労働時間が長いが給料の良い仕事に就くか、給料は安いが休みの多い仕事に就くか、といった選択肢を聞いたことがあるだろう。
ドイツに本拠を置くマーケティングリサーチ企業GFKが世界17ヵ国、2万2,000人のインターネットユーザーを対象に「お金と時間、どちらが欲しいか」という調査をおこなった結果、「お金があるより時間があるほうが良い」と強く思う人は31%を占め、そう思わない人 (9%) の3倍超であった。グローバルの消費者は、物質的なお金より、目に見えない時間を重視していることが明らかになった。
日本における同様の調査では、「お金があるより時間があるほうが良い」と強く思う人は11%だったのに対し、そう思わない人も12%と同程度と、グローバルとは異なる傾向が見られた。しかし、年代別に見ると、49歳以下は「お金<時間」と思う人の方が多く、グローバルと同じ傾向であった。
お金は無限であるが、時間は有限である。労働の対価や資産運用のリターンとして得ることができる「お金」は、本人の頑張り次第という条件付きだが、増やすことができると考えられる。しかし「時間」は1日24時間と決まっており、1日の時間を増やすことはできない。
有限な時間をどこにどのように使うかで得られる成果も変わってくる。昨今では、政府が推進する働き方改革により、テレワークの導入や副業を容認する会社が増加してきている。また、会社勤めの経験を活かして起業し、自分の裁量で働くなど、個人個人のニーズに合った働き方を選べる時代になりつつある。
自分の時間をどこに投下すれば「時間価値」がより高まっていくのか、そういった視点が今後はより求められていくだろう。
「お金を無駄にしてしまった」、「時間を無駄にしてしまった」などといった発言を口にしたことはないだろうか。「お金」と「時間」は、コスト的な観点からは似たような性質を持っていると言える。
お金を管理するには「お金に色をつけてあげるとよい」といったように言われることがあるが、時間も同じように色をつけて事前に使い道を決めておくのがよい。自分にとって有限な時間の使い道を事前に決め、時間を管理していく。自分がすべきこと、したいことに使える時間を配分するのである。目先のことだけではなく、将来の夢やキャリアプランを描き、何をするかに時間を配分しておくと、時間を無駄にしなくなり、大切にするようになる。あるいは、自分が使った時間が自分にとってどのような資産として残るか、その資産はどのくらい将来リターンを生み出すのかといったファイナンス的な発想から考えて「時間の投資」をおこなっていくと良いだろう。
そして時間は有限だが、お金で買うことができる。例えば移動手段にタクシーを使うことによって、移動の間に仕事をやるなどが挙げられる。タクシー料金を払うことで仕事ができる時間を生み出すという発想だ。ほかにも部屋掃除をハウスキーパーに依頼し、対価を払うことによって得た時間で、支払いの10倍の給料を稼ぐ仕事をすれば、投資効果があると考えることができる。同じように、毎日1時間かかる通勤時間を短縮するために、出費が少しばかりかさむが会社から徒歩10分の距離に住めば、毎日50分の時間を買うことができると考えられる。浮いた時間を新たな目標に使って出費以上のリターンを得ることができれば上手なお金の使い方と言えるだろう。早ければ早いほど複利的に成果を積み上げることができる。
このように時間を「使う」「貯める」「増やす」「投資する」などの視点で考えてみると、普段の時間に対する感度もあがり、より自分のためになる「活きた時間」の使い方ができるだろう。
(提供:株式会社ZUU)