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2018年12月20日

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今すぐ確認したい「休眠口座」放置しておくと残高がゼロに ?

今すぐ確認したい「休眠口座」放置しておくと残高がゼロに ?
(写真=PIXTA)

休眠預金等活用法が2016年12月に成立し、2018年1月に施行された。このニュースを耳にした時、放置しておくと残高がゼロになってしまうのではないかと不安に思われた方もいるのではないだろうか。私たちへの影響と今後の対応についてお伝えしよう。

そもそも「休眠預金」とは ?

休眠預金とは、銀行などの金融機関に預けている預貯金等のうち、入出金等の「異動」が10年間されていない預貯金を指す。金融庁 によると、毎年約1,200億円が休眠預金となり、その後、金融機関からの連絡により、約500億円が預貯金者に戻されている。残りの700億円は、金融機関の内規により利益として一旦計上されている。

休眠預金活用法で何が変わる ?

このお金を社会の為に生かそうという主旨で施行されたのが、冒頭の休眠預金活用法である。しかし原資は個々人の資産である。そのため、休眠預金を預貯金者に払い戻す努力を尽くした上で、それでも休眠預金となる預貯金等について、民間公益活動を促進する為に活用することとなっている。

民間の事業拡大効果、公共の福祉の増進効果等、社会全体への大きな波及が期待されるが、具体的には以下の分野が想定されている。

  • 子どもや若者への支援
  • 日常生活等を営む上で困難を有する者の支援
  • 地域活性化等の支援

休眠預金活用法は、2019年1月1日以降に発生する休眠預金 (2009年1月1日以降に異動がない預貯金等) から対象となる。対象となった休眠預金は、預金保険機構に移管される。2019年秋には、内閣府が監督する指定活用団体が公募したNPO法人などの各種団体に対し、助成や貸付が開始される予定である。

私たちへの影響は ?

金融機関は、移管の対象となりうる休眠預金がある場合には、移管前に電子公告を行なうとされている。1万円以上の残高がある預貯金等については、金融機関より登録されている住所への郵送または電子メールで通知される。1万円に満たない預貯金等については、通知されない。休眠預金口座の9割の残高が1万円未満である。知らないうちに休眠預金になってしまうというケースもあるだろう。

しかし休眠預金になってしまった後でも、取引のあった金融機関でいつでも利子相当額を加えた額が支払われる。預貯金等がゼロになってしまうという訳ではないので必要以上に心配する必要はない。

休眠預金等に当たる預貯金と当たらない預貯金は以下の通りである。

【休眠預金等に当たる預貯金】

  • 普通 / 通常預貯金
  • 定期預貯金
  • 当座預貯金
  • 別段預貯金
  • 貯蓄預貯金
  • 定期積金
  • 相互掛金
  • 金銭信託 (元本補填のもの)
  • 金融債 (保護預りのもの)

【休眠預金等に当たらない預貯金】

  • 外貨預貯金
  • 譲渡性預貯金
  • 金融債 (保護預りなし)
  • 2007年10月1日 (郵政民営化) より前に郵便局に預けられた定額郵便貯金等
  • 財形貯蓄
  • 仕組預貯金
  • マル優口座

休眠口座の見つけ方

学生時代のアルバイト給与振込口座や転居手続きを忘れている口座等がないかを確認してみよう。通帳やキャッシュカードがあれば手続きは容易である。

通帳もカードも無い場合であっても、身分証を提示することで払戻可能となる。口座を開いた可能性のある金融機関の窓口で直接問い合わせてみよう。本人の口座であることが証明できれば解約に応じてもらえる。合併等で当時の銀行がなくなっている場合、引継先の支店で対応してもらえる。合併先の銀行に問い合わせてみよう。

解約するにはどうすればよいか ?

解約をする場合、原則として本人確認書類と届出印が必要になる。口座名義・届出住所・届出印等の有無や金融機関により必要な書類が異なる為、事前に電話等で問い合わせるとスムーズに進めることができるだろう。

通帳や届出印がなく引き出したり解約手続きをしたりする際には、公的書類等が必要になる場合もある。その発行手数料等を負担すると、残高によっては赤字になる場合もある。その場合は社会の為に使ってもらうのも1つの選択肢ではないだろうか。

まずは休眠預金にならないよう、利用しない口座は早めに解約し、転居時は速やかに住所変更をしよう。そして、手元の預貯金口座の状況は、こまめに把握しておきたいものだ。

(提供:株式会社ZUU)

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