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2017年8月28日

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為替の予想をする際に「金利差」ってどう関係してくるの ?

為替と金利の関係性
(写真=PIXTA)

「円高」「円安」「金利上昇」「金利低下」という言葉や、その意味については多くの人が知っているものだが、その関係性については意外と知らないことが多い。金融政策や財政政策を理解するうえでは、言葉そのものより関係性の理解が大前提となる。言葉だけしか知らない人は、実は経済ニュースにはついていけていないのだ。

為替と金利の関係については、実は教科書レベルでも解説されているような話ではある。しかし「風が吹けば桶屋が儲かる」のように、その因果関係が一見複雑であるがゆえに、一度読んだり聞いたりしただけでは忘れてしまうものだ。

ここでは為替と金利の関係、そして金利を調節する中央銀行の役割について、改めて説明していきたい。

為替と金利の関係性

為替と金利の関係を理解するには、「物価」を加えて以下の三つの流れを頭に入れておくといいだろう。 (ここでは話の都合上、日本円と米ドルの二者間だけを取り上げることにする。)

そして、お金とモノの関係、日本と外国 (この場合はアメリカ) の関係という「二つの関係」を踏まえると理解しやすくなる。

円高とは、「円の力が強い」ということである。円の力が強いため、外国製品を安く輸入することができるようになる。外国製品を安く輸入できるので、日本では物価が下がる。

物価が下がっていくと、人々は「後で物を買った方が安くなるからお得だ」ということで消費を控えるようになる。消費が減退すると、自ずと製品やサービスを生産する企業活動も停滞し、資金需要が減退する。資金需要が減退するので、お金を借りるときの金利も下がるわけだ (需要の少ない商品の値段は下がる。お金も「商品」なのだ) 。

今度は日本とアメリカの金利差に注目しよう。日本で金利が下がると、日本円でお金を預けていても利益が少ない...ということで、米ドルにお金が流れる。円を売ってドルを買う動きが強まるので、ドル高円安になる。

このように、為替と金利には密接な関係がある。現実は膨大な数のファクターがあるため、必ずしもこの通りにいくとは限らないが、少なくとも理論的には上記のような関係性を持っている。

金利を調節できる中央銀行

上記の説明では、あくまで為替や金利が人為的要素なく変動するかのようにお伝えしたが、実際のところは人為的な調節も入る。それが、中央銀行 (日本なら日本銀行) による金融政策である。

金利が上がると、各銀行は日銀からお金を借りづらくなる。企業も、人件費や設備投資のためのお金を各銀行から借りづらくなる。景気が過熱してバブル気味な場合は、行き過ぎが抑制されて安定する。ドルとの関係でいうと、日本の金利が上がることで円高になる。

逆に金利が下がると、各銀行は日銀からお金を借りやすくなり、企業は各銀行からお金を借りやすくなり、景気が刺激される。そして、円安になる。

日銀のような中央銀行は、一般的に景気が過熱気味のときは金利を上げ、不景気の場合は金利を下げることで景気を安定させようとしている。金利の調節は、為替の行く末にも大きな影響を与えるのである。

そのため、近い将来の為替を予測する際には、中央銀行の動向を注視する必要がある。日本であれば日本銀行、アメリカであればFRB (連邦準備理事会) 、EUであれば欧州中央銀行だ。

金利の変動で為替を予測

前述の通り、為替と金利には密接な関係がある。円高になれば金利が下がりやすく、金利が下がれば円安になりやすい。つまり、理論的には「金利が低い (高い) 通貨はお金が逃げていき (集まり) 通貨安 (通貨高) になる」ということを覚えておこう。

また、その金利を調節する中央銀行の動きをみることで、為替の動きを予測することができるかもしれない。ただし、金利に影響するのは物価の動向や政局の動きなど、他にも変数が膨大に存在することは頭に入れておこう。

(提供:株式会社ZUU)

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