通貨の特徴と選び方
大和ネクスト銀行では、米ドルやユーロなどの主要通貨から、相対的に金利水準が高い新興国通貨まで、全12通貨の外貨預金をお取り扱いしています。通貨ごとに値動きの傾向やリスクは大きく異なります。各通貨の特性・変動要因・注目指標をまとめましたので、ご自身の運用方針に合った通貨選びの参考としてご活用ください。
取扱通貨マップ

米ドルは世界の基軸通貨で、貿易決済や各国の外貨準備の中心を占める、最も流通量の多い通貨です。発行国の米国は世界最大の経済規模を持ち、金融市場の流動性が高く、有事の際に買われやすいとされる面もあります。相場を左右する最大の要因は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策で、雇用統計や消費者物価指数(CPI)、ISM景況感指数などの経済指標にも反応します。多くの新興国通貨や原油など資源価格の取引基準にもなり、その動向は世界市場に広く波及します。取扱う金融機関が多く情報も豊富で、外貨預金を始める際の選択肢として利用されています。
ユーロは欧州連合(EU)の単一通貨で、米ドルに次ぐ第二の基軸通貨です。ドイツ、フランスなど21か国(ユーロ圏)で使われ、経済規模は米国に匹敵します。複数の国が一つの通貨を共有するため、加盟国ごとの財政や政治情勢の違いが相場に影響しやすい点が特徴です。金融政策は欧州中央銀行(ECB)が一元的に担い、政策金利の決定や総裁の発言が為替を動かす最大の材料となります。注目指標にはユーロ圏の消費者物価指数(HICP)、GDP成長率、PMIなどがあります。ユーロ/ドルは世界で最も取引が活発な通貨ペアで、その動きは市場心理を映す鏡ともいわれます。
英ポンドは英国の通貨で、ユーロ導入以前から国際的に取引されてきた歴史の長い通貨です。ロンドンは世界有数の国際金融センターで、ポンドは取引量こそ米ドルやユーロに劣るものの、主要通貨の一つとして高い存在感を保ちます。歴史的に値動きが比較的大きく、材料に反応して短期的に上下しやすい傾向がみられます。金融政策はイングランド銀行(BOE)が担い、政策金利が重要材料です。注目指標には消費者物価指数(CPI)、雇用統計、GDP成長率などがあります。EU離脱の経緯から、対EU関係や通商政策の変化も相場の波乱要因となります。
豪ドルはオーストラリアの通貨で、鉄鉱石や石炭、天然ガスなどを輸出する資源国通貨(コモディティ通貨)の代表格です。資源価格の上昇局面や世界景気の拡大時には買われやすい傾向があります。最大の貿易相手国は中国で、中国の景気や資源需要が相場に強く影響する点も特徴です。金融政策はオーストラリア準備銀行(RBA)が担います。先進国のなかでは金利が高めに推移してきたことから、相対的に高い利回りが期待される通貨として知られています。注目指標には雇用統計やCPIに加え、中国のGDPや製造業PMIも重要で、リスク選好・回避のムードに敏感に反応します。
NZドル(ニュージーランドドル)は、酪農品など農産物の輸出が経済を支える資源国通貨です。経済規模が小さく取引量も限られるため、値動きが大きくなりやすい点が特徴です。乳製品の国際価格や農産物市況、世界景気が相場に影響します。結びつきの強い豪ドルと連動して動く傾向があり、豪ドルの動きが参考にされます。金融政策はニュージーランド準備銀行(RBNZ)が担い、政策金利が主要材料です。歴史的に金利が高めで、相対的に高い利回りが期待されてきました。注目指標にはCPI、雇用統計、乳製品価格指数(GDT)などがあり、リスク回避局面では相場が急変しやすい点に注意が必要です。
カナダドルはカナダの通貨で、原油などエネルギー資源を豊富に産出する資源国通貨の代表格です。とりわけ原油価格との連動性が高く、原油相場の上昇局面では買われやすい傾向があります。隣国の米国が最大の貿易相手国で、輸出の大半を米国向けが占めるため、米国の景気やドル相場が色濃く反映される点が特徴です。金融政策はカナダ銀行(BOC)が担います。主要通貨の一角として国際的に取引されています。注目指標には雇用統計、CPI、GDP成長率、貿易収支に加え、原油価格などエネルギー関連の動向も重要です。
香港ドルは香港(中国の特別行政区)の通貨で、アジア有数の国際金融センターである香港で使われています。最大の特徴は、米ドルに対し一定の変動幅内に相場を保つ「ドルペッグ制(カレンシーボード制)」を採用している点です。1米ドル=7.75〜7.85香港ドルの範囲で管理され、米ドルに対する値動きは非常に小さく安定しています。このため対円相場は米ドルの動きに準じ、香港独自の金利政策より米国の金融政策の影響を強く受けます。管理は香港金融管理局(HKMA)が担います。FRBの政策金利や米ドルの強弱、結びつきの強い中国本土の経済情勢が相場を見る鍵となります。
シンガポールドルは、東南アジアの国際金融・貿易の中心地シンガポールの通貨です。中継貿易や金融サービスを基盤に発展した先進国で、通貨は比較的安定しています。金融政策の枠組みが独特で、政策金利ではなく「為替相場」を政策手段とし、通貨庁(MAS)が複数の貿易相手国通貨のバスケットに対し、一定の変動帯(バンド)内で相場を緩やかに誘導します。このため極端な急変動が起きにくい構造です。貿易立国のため、世界景気や周辺アジア諸国の動向、輸出の増減が相場に影響します。注目指標にはCPI、GDP成長率、輸出統計などがあり、分散投資の対象として利用されることのある通貨です。
中国元(人民元)は世界第2位の経済大国・中国の通貨で、近年は貿易決済や外貨準備での利用が拡大しています。最大の特徴は、当局の管理度合いが強い「管理変動相場制」を採用している点です。中国人民銀行が毎営業日に基準値(中間レート)を公表し、その上下一定の変動幅内で取引されるため、相場は当局の政策的意向を反映しやすい構造です。海外で取引されるオフショア(CNH)と本土のオンショア(CNY)が区別される点も独特です。注目指標にはGDP成長率、製造業・非製造業PMI、貿易収支、CPIなどがあり、米中関係や通商政策の影響も大きい通貨です。
南アフリカランドは南アフリカ共和国の通貨で、金やプラチナ、レアメタルなど鉱物資源を豊富に産出する資源国通貨です。金やプラチナの国際相場と連動しやすく、資源市況の上昇局面で買われる傾向があります。歴史的に政策金利が高く、相対的に高い利回りが期待される通貨として知られます。一方、市場の流動性が限られ値動きが大きく、世界的にリスク回避が強まると売られやすい点に注意が必要です。金融政策は南アフリカ準備銀行(SARB)が担います。注目指標にはCPIや貿易収支、金・プラチナ価格があり、電力供給の不安定さや政治・財政リスクも波乱要因となります。
メキシコペソはメキシコの通貨で、新興国通貨のなかでも取引量が多く流動性が比較的高い通貨です。原油を産出する資源国であると同時に、自動車など製造業が盛んで、最大の貿易相手国である米国向け輸出が経済を支えます。このため米国の景気や両国の通商関係が相場に強く影響します。歴史的に政策金利が高く、相対的に高い利回りが期待される通貨として注目されてきました。金融政策はメキシコ銀行(中央銀行)が担います。注目指標にはCPI、GDP成長率、貿易収支、原油価格、米国の景気・金利動向があり、リスク回避局面では大きく下落することもある点に注意が必要です。
トルコリラはトルコの通貨で、新興国通貨のなかでも特に政策金利が高い通貨として知られます。高い利回りが期待される一方、長期にわたり通貨価値が下落傾向をたどってきた経緯があり、為替差損が金利収益を上回るおそれもあるため、値動きの大きさを十分理解する必要があります。トルコはアジアと欧州を結ぶ地政学的要衝で、慢性的な経常赤字や高インフレといった構造的課題を抱えます。金融政策はトルコ中央銀行が担いますが、政策運営や政治情勢の影響が大きい点も特徴です。注目指標にはCPI、政策金利、経常収支などがあり、リスク回避局面で相場が急変しやすい通貨です。
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