おすすめコラム

2017年11月29日

  • はてなブックマークに追加はてなブックマークに追加
  • LINEで送るLINEで送る

2017年の路線価 今年の傾向は ? 大きく変動したのはどこ ?

2017年の路線価
(写真=PIXTA)

国税庁が発表した2017年の路線価で、30年以上の長期間にわたり日本一を保っている東京都中央区銀座5の「鳩居堂前」の路線価がバブル直後の最高値を更新して話題となった。

路線価は発表されるとマスメディアで盛んに取り上げられる。このため、路線価という言葉自体は知っている人も多いだろう。しかし、「路線価とは一体何か」ということを理解して、きちんと説明できる人はそれほど多くないだろう。

路線価とは、不動産の課税価格を計算する基準。詳しくは、相続税や贈与税を計算するもとになる「相続税路線価」と、固定資産税や都市計画税などのもととなる「固定資産税路線価」があるが、一般に路線価と言う場合は前者を指す。

最近では、相続税の基礎控除額が引き下げられたことから、相続税を算出する目的でもこの路線価が注目されている。

不動産投資家のみならず、広く関心がもたれる「路線価」の最新動向と、実際の路線価のシミュレーションについて解説しよう。

2017年の傾向、大きく変動したのはどこ ?

2017年の標準宅地の路線価は2016年の流れを引き継ぎ、都市部の上昇傾向が目立つ反面、都市部以外での下落傾向が続いた。今回、最も大きく上昇したのは宮城県で、前年の2.5ポイント上昇を超える3.7ポイントの大幅上昇となった。

ポイント上昇幅が次に大きかったのは、東京都と沖縄県で3.2ポイントだ。東京はオリンピック・パラリンピックを2020年に控え、訪日外国人観光客の増加が期待されるなか、施設建設や都市の再開発があちこちで進んでおり、商業地域の価格は上昇傾向にあるようだ。

実際に路線価から宅地評価額を計算してみよう

路線価が分かっている場合、宅地の評価額を求めるのは実はそれほど難しいものではない。ここでは簡単な評価シミュレーションをして、計算方法を確認してみたい。

路線価から宅地評価額を求めるためには、まず「正面路線価」と「奥行価格補正率」を知る必要がある。正面路線価に加えて「側方路線価」も設定されていれば、そちらもチェックしておこう。実際の路線価は国税庁が最新版を公表している財産評価基準書路線価図・評価倍率表のページから調べることができる。奥行価格補正率も国税庁ウェブサイトからダウンロード可能だ。

正面と側面の二つの路線価が設定されている場合の正面路線は、何も建物からみて正面というわけではない。奥行価格補正率を乗じて得た二つの金額のうち、“より高いほう”が正面路線価となるので注意が必要だ。

<評価シミュレーション>
正面路線価が50万円、側方路線無し、間口10メートル、奥行き10メートル、地積100平方メートルの普通住宅地のケース

● 評価対象地1平方メートル当たりの評価額は ?
50万円 (正面路線価) ×1.00 (奥行価格補正率) =50万円 (評価対象地1平方メートル当たりの評価額)

● 評価対象地の評価額は ?
50万円×100平方メートル=5,000万円 (評価対象地の評価額)

ただしすべての道路に路線価が設定されているとは限らない。このため調べたい土地の路線価が分からない場合もあるかもしれない。より詳しく路線価について知りたい場合は、国税庁のウェブサイトを見てみるといいだろう (https://www.rosenka.nta.go.jp/) 。

路線価による評価額は、あくまでも税額計算のために用いられる指標。実際の売買では実勢価格の8割程度の評価にとどまることが多いようだ。

気になる土地、相続するかもしれない土地の評価を算出してみては ?

耳慣れない単語や計算式におじけづく人もいるかもしれないが、いくつかのポイントをおさえて順番に式に当てはめれば、路線価は意外と簡単に導き出せる。近い将来、土地を相続する可能性があるなら、そこがどのくらいの価値があるのか気になるだろう。ぜひ路線価などを調べて、自身の手で土地評価額を算出してみてはいかがだろうか。

(提供:株式会社ZUU)

  • 本ページ情報の無断での複製・転載・転送等はご遠慮ください。
  • 本ページの情報提供について信頼性の維持には最大限努力しておりますが、2017年11月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。
  • 本ページの情報はご自身の判断と責任において使用してください。

この記事をシェアする

  • はてなブックマークに追加はてなブックマークに追加
  • LINEで送るLINEで送る