大和総研コラム

コロナ収束を見越し、真っ先に再開した店は ?

  • 国際
  • 掲載日 : 2020年6月3日
  • 大和総研ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト (LDN駐在) 菅野泰夫

新型コロナウイルスで甚大な被害を受けた欧州では、5月に入り急速にロックダウン (都市封鎖) 措置の段階的解除を進めている。ロックダウン中は、生活必需品 (食料品など) 以外を扱う店舗や、不要不急のサービス業の営業が禁止されていたのは日本でもお馴染みであろう。ただし、現時点では休業による経済的損失と再感染のリスクという公衆衛生の保護とのトレードオフの解消を目指し、できる限り早く経済活動を再開させようとしている。

ここで驚いたのが、どのような種類の店舗から営業が許可されていくのかが、国によって大きく異なることである。無論、生活必需品に近いものから優先されているのだが、国によって許可される順番がかなり異なり、お国柄を表しているかのようで興味深い。

フランスでは5月11日に、措置解除の最初のフェーズが始まっているが、 (小規模のものに限定であるが) 美術館が真っ先に再開した。さすが芸術の国である。またスペインでは5月11日から、レストランやバーの“テラス席”だけが真っ先に再開している。さすが太陽の国。ちなみにドイツは5月4日の第1フェーズ開始以降、当初の予想では営業再開が8月下旬であったビアホールも、前倒しで再開している。さすがビールの国だ。
イタリアでは、どの欧州諸国よりも早く6月3日から、海外からの観光客の受け入れをスタートさせる。さすが観光の国。またロシアでは、措置解除の第1フェーズで、真っ先に再開したのがクリーニング店である。ロシアでは寝具を毎週洗濯する習慣があり、大型の寝具を毎回クリーニングする人が多いからである。

さて、欧州にて新型コロナウイルス対応に最も失敗したといわれているのが、欧州最大の犠牲者を出した英国である。英国では、ロックダウン措置解除に伴う政府の方針変更 (外出自粛のステイ・ホームから注意喚起のステイ・アラートへの変更) に、イングランド以外の地方政府であるウェールズ、スコットランド、北アイランドが反発し、外出自粛を続けている。死者数が未だ100人単位のため、措置解除は時期尚早と判断しているようだ。
ただ首都ロンドンが位置するイングランドでは5月13日から、措置解除の第1フェーズが始まっている。注目された最初に再開した店は、衣料品店でもレストランでもなく、園芸品等を扱うガーデニングセンターだった。再開後、ガーデニングセンターに長蛇の列ができている報道を連日のように目にしたのは驚いた。確かに春先には2週間に1度は芝刈りをしないと、綺麗な状態の庭は保てない。英国人の庭にかける並々ならぬ情熱が伝わってくるではないか。さすがガーデニング発祥の国 (ちなみにゴルフ場も真っ先に再開している。さすがゴルフ発祥の国でもある) 。

日本では、緊急事態宣言解除以降、パチンコ店や居酒屋が再開したニュースばかりが目に付く。これもお国柄だろうか ?


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