大和総研コラム

インフラファンドへの投資は広がるか

  • 経済
  • 掲載日 : 2020年2月26日
  • 大和総研政策調査部 主任研究員 神尾篤史

最近、東証のインフラファンド市場に上場する銘柄の出来高 (売買高) が増加している。インフラファンドは不動産系やエネルギー系、商社系など7銘柄が上場しているが、前年と比較できる5銘柄を月平均の出来高を見ると、直近では前年を上回っている。出来高が2倍超になっている銘柄もあり、7銘柄の合計時価総額は959億円 (2月20日時点) である。

インフラファンドは、REIT (Real Estate Investment Trust (不動産投資信託)) に類似した仕組みを持つ金融商品である。REITの投資対象は多様な不動産だが、インフラファンドの投資対象は太陽光発電設備をはじめとする再生可能エネルギー発電設備や港湾施設などのインフラだ。現在上場している7銘柄の主要投資対象が太陽光発電設備である。

インフラファンドのスキームとしては、投資家から集めた資金で太陽光発電設備などを取得し、第三者へ貸し出す。そこから生じる賃料が収益となり、資金を提供した投資家に分配金が提供される。発電された電力は固定価格買取制度 (FIT) に基づいて電力会社が買い取る義務を有しているため、安定的な収益が期待される。さらに配当可能利益の90%超を投資家に分配することなどを条件として、実質的に法人税が20年間非課税になる。

このようなインフラファンドについて、投資家の裾野の広がりが期待されるニュースが1月末にあった。東証が4月27日から、「東証インフラファンド指数」 (基準日は3月27日) の算出・公表を開始するというのである。ちなみに、東証REIT指数の場合、2003年3月に6銘柄で算出が開始され、現在では対象が64銘柄になっている。インフラファンド市場全体の動向を捉える指数の公表は、投資家の利便性や認知度を高めることになると思われる。

2020年度の税制改正では、再生可能エネルギー設備に投資するインフラファンドについて、法人税が20年間非課税になる要件が3年間延長される見込みである (従前は、2020年3月31日までに再生可能エネルギー発電設備を取得した場合が要件だった) 。今後、現在の固定価格買取制度がどのように見直されるかにもよるが、再生可能エネルギーを拡大させていく必要性が高まっている中では、インフラファンドの上場銘柄数の増加が期待される。

環境 (Environment) 、社会 (Social) 、ガバナンス (Governance) の頭文字を取ったESG課題を投資に反映させることが徐々に進んでいることは、インフラファンドにとって市場拡大の追い風である。インフラファンドの多くはESG関連銘柄であるため、多くの投資家にとってこれからの時代の有力な投資対象となりうる。市場がどのように拡大していくか、注目したい。


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