大和総研コラム

インドネシア:スマートフォンとラマダンの過ごし方

  • 国際
  • 掲載日 : 2018年6月25日
  • 大和総研経済調査部 研究員 永井寛之

イスラム教徒が多数を占めるインドネシアではラマダンとレバランが終了したばかりである。ラマダンとはイスラム暦の9月のことで、日の出から日没まで断食を行うなど禁欲的な生活が求められる。2018年は5月17日~6月14日であった。一方、レバランとはラマダン明けの休日のことで、インドネシアの休日では最大の休暇である。レバラン期には多くの人が帰省をする。そのため、ラマダン期間中にはレバラン期間に備えて食品の買いだめが行われたり、故郷へ錦を飾るために高額商品を購入するなど、消費が大いに刺激される。例年、ラマダン期の消費は年間の消費の15%程度を占める。今年は、エネルギー高による資源関連産業の業績回復に伴う所得増加や公務員に対するボーナスの増加などを背景として、政府は前年より2割以上小売売上が増加することを見込んでいる。

今年のラマダン商戦では飲食品などでネット通販の売上が好調である。現地報道等によると、ECサイトのショッピーインドネシアでは今年のラマダン期の取引数は前年比約6倍と激増した。これは、インドネシアでもスマートフォンを通じたデジタルエコノミーが発展しつつあることが垣間見られる現象である。

電子決済取引額は2018年1~4月期は前年同期比4.8倍と、2017年の前年比1.8倍より急増している。インドネシアは島しょ国であるとともに、山岳国家のため固定通信網が発展しなかった一方、よりコストのかからない無線通信が発達したことなどにより、携帯電話での通信が盛んとなり、1人当たり携帯電話の保有台数は1台を超え、スマートフォンの普及率も50~60%と急上昇している。

また、国営通信社のテレコムセルによるとSNSや動画視聴の増加により、ラマダン期の通信料は通常時に比べて20%以上増えているという。娯楽施設の営業時間の短縮など自制的な生活がラマダン期間では求められるが、ネット通販や時間つぶしに便利なスマートフォンはまさに必須アイテムになりつつあるのだろう。


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