大和総研コラム

育休は、「業」は休めど「暇」ならず

  • 消費 / 社会
  • 掲載日 : 2017年4月26日
  • 大和総研金融調査部 研究員 是枝俊悟

筆者は先日、2ヵ月ほどの育休を終えて職場に戻ってきた。育休中にやりたいこと(※1)は概ねやりつくすことができたが、当初の目論見が外れたことがひとつだけあった。それは、実感として育休は「休み」ではなく、むしろ育休中のほうが肉体的・精神的につらかったということだ。

「責任ある役割」を求められる時間をもって、筆者のこれまでの働きぶりと育休中の育児を比較してみると、その違いは明らかだ (下の図表参照) 。育休中に子を責任もってケアする時間は1日平均14時間程度に及び、これは筆者のこれまでの「労働時間」より明らかに長い。昼の休憩が必ずしも取れない点や曜日にかかわらずケアを行わなければならない点も「育休中の育児」のつらい点と言える。

自由に動き回るわが子が危険なものに近づかないよう常に意識を張り巡らせておくことはそれなりに精神的負荷がかかる。仕事とは求められる役割の性質は違うが、子の世話を「仕事より負荷の軽い役割」だとは断定できない。

もちろん、育休中の育児はつらいことばかりではなく得るものも多かった。子の散歩を通じて見ることができたリアルな「平日昼間の町のすがた」や、児童館や地域のイベントなどで知り合った「ママ友・パパ友」達との交流で得た経験などは、今後の調査をより「暮らし」に根付いたものにすると筆者は感じている。また、日ごとに表情を変えできることが一つずつ増えていく乳児期のわが子の成長に色濃くかかわることができたのは、何よりも幸せなことだった。

育休のことを「育児休暇」と呼んでいた友人も多くいたが、法律上、育休は「休暇」ではなく「休業」である(※2)。育休は、「業」は休めど「暇」ならず、と意識しておくとよいかもしれない。

[図表] 「責任のある役割」を求められる時間の比較 (筆者の経験による)
  • ※1前回コラム「女性活躍のために男性の育児休業を」 (2017年1月31日) を参照。
    https://www.bank-daiwa.co.jp/support/dir_column/2017/0131_2768.html
  • ※2いわゆる「有休」は労働基準法第39条に定める「年次有給休暇」の略である。これに対し「育休」は育児・介護休業法 (育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律) 第2条に定める「育児休業」の略である。

このコラムと同じカテゴリの他のコラムを読む

年別

カテゴリ別