大和総研コラム

「キャラクター捕獲ゲーム型」新入社員へ -大切なのは「職業観」の開拓-

  • 消費 / 社会
  • 掲載日 : 2017年4月3日
  • 大和総研政策調査部 研究員 菅原佑香

新年度が始まり、期待と不安を胸に抱きながら、入社式を迎えている新社会人が多くいることだろう。

日本生産性本部によれば、2017年度の新入社員は、「キャラクター捕獲ゲーム型」と呼ばれ(※1)、「キャラクター (就職先) 」の捕獲 (内定) は容易にできるが、「レアキャラ (優良企業) 」の捕獲は難しく、スマホを片手にネット・SNSを駆使して情報収集するというタイプだそうだ。同時に、必死になりすぎてうっかり「危険地帯 (ブラック企業) 」に入社してしまうリスクがある。仕事にはじめは熱中して取り組むが、「飽きやすい傾向も (早期離職) 」あるため、企業側は、飽きさせないように、「注意が必要 (やりがい、目標の提供) 」とある。

振り返ると、昨年の学生の就職活動は、採用選考開始の時期が、8月から6月へと前倒しになり、短期決戦を強いられた。今年の新入社員は、そんな厳しい就職前線をうまく勝ち抜いてきた若者たちである。

2017年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生を対象とした「就職観」についてのアンケート調査では、上位から「楽しく働きたい」「個人の生活と仕事を両立させたい」「人のためになる仕事をしたい」の順になっており、この3つで全体の7割を占める (図表) 。別の調査では、新入社員の会社の選択理由は、「自らの技能や能力、あるいは職種への適性に関心がもたれる時代へと変化している」とも指摘されており(※2)、仕事に対する明るい希望や熱意を抱いていることが感じられる。

ただ、内定はすばやく捕獲できても、入社後の仕事はなかなかうまくいかないこともあるかもしれない。若い時期は「適職探しの時期」であるとも言われており、理想と現実のギャップに悩みながらも自分のキャリアを模索する時期である。経験を積み知識や能力を磨き、試行錯誤しながらも、自分にとっての「仕事」とは何か、仕事の適性や働きやすさ、働きがいなど様々な側面から、自分の仕事への価値観を考えてみてほしい。そうすることで、自分なりの「職業観」を開拓でき、職業人生がより充実したものになるだろう。

次世代を担う若者には、多くの可能性に満ちた未来が待っている。必死になって仕事に取り組むあまり自分を見失わないように、入社当初に抱いていた「就職観」を徐々に自分なりの「職業観」へと発展させていってほしいと筆者は願う。

[図表] 大学生の就職観 (2015年卒~2017年卒)
  • ※1公益財団法人 日本生産性本部「平成29年度 新入社員の特徴~新入社員のタイプは『キャラクター捕獲ゲーム型』~」 (2016年3月23日)
  • ※2公益財団法人 日本生産性本部「平成28年度 新入社員『働くことの意識』調査結果」 (2017年7月7日)

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