大和総研コラム

特定商取引法の見直しに向けた「中間整理」の意見募集

  • 政治
  • 掲載日 : 2015年9月9日
  • 大和総研金融調査部 主任研究員 堀内勇世

平成27年1月、内閣総理大臣から消費者委員会に対して、特定商取引に関する法律 (以下、特定商取引法) の施行状況を踏まえ、購入者等の利益の保護及び特定商取引の適正化を図るための規律の在り方について検討するように諮問が行われた。これを受け、消費者委員会に特定商取引法専門調査会 (以下、専門調査会) が設けられ、検討が続けられてきた。この専門調査会が8月に、これまでの審議状況を整理し「中間整理」としてまとめ、公表した。そして、9月に入ると中間整理に対する意見の募集を始めた(※1)

この中間整理は特定商取引法の見直しに関するものである。特定商取引法とは何かと言えば、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売等につき、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定め、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守るための法律である (なお他の法令で消費者の利益を保護することができる等と認められるものについては他の法令によるとして、特定商取引法が適用されない場合もある)(※2)

中間整理では、「横断的な事項」、「個別取引類型における規律の在り方」、「執行上の課題」に分けて整理されている。

「横断的な事項」としては、例えば、以下の事項が掲げられている。

  • 訪問販売、通信販売、電話勧誘販売に係る規制を受ける、売買等の対象となる「権利」は政令で指定するとされ、限定されたままになっているが、拡大することが検討されている。
  • 訪問販売や電話勧誘販売に係る勧誘に関する行為規制の強化については、その要否も含め対応の方向性は、必ずしも委員間で、立法による対応の必要性も含めて共通認識が形成されるまでには至っていない。しかし、議論においては、消費者側からの自主的に招請があった場合にのみ勧誘を行うことができるとする、いわゆる不招請勧誘の禁止の導入などの意見も出されている。

「個別取引類型における規律の在り方」としては、例えば、以下の事項が掲げられている。

  • 通信販売に係る規律として、消費者の承諾や要請なく行われるFAXを用いた広告に対して、何らかの規制を導入することが検討されている。
  • 電話勧誘販売において、通常必要とされるものを超えた販売、いわゆる過量販売が行われた場合には消費者に契約の解除を認めることが検討されている。

「執行上の課題」としては、例えば、以下の事項が掲げられている。

  • 違反行為により行政処分を受けた事業者の役員や役員と同等以上の支配力・影響力を有する従業員に対しても、業務停止命令の効力を及ぼすことが検討されている。
  • 報告徴収や立入検査の実効性の強化を図るため、現行では虚偽報告・検査妨害等に対しては罰金刑が定められているが、懲役刑も含めた法定刑の引上げについて検討されている。

ここに掲げたのは一例にすぎない。多くのことが検討されている。ただし、現段階では、意見が一致し、具体化されたという段階ではない。それゆえに、中間整理を公表し、意見を募集し、これからの検討に役立てようとしている。特定商取引法に関心があり、意見を持っているならば、9月30日までの意見募集は検討機関に意見を伝える絶好の機会ではなかろうか。


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