大和総研コラム

地方創生の成否を左右する2020年までの5年間

  • 政治
  • 掲載日 : 2015年5月7日
  • 大和総研経済環境調査部長 内野逸勢

昨年11月の地方創生関連2法の成立 (同年12月2日施行) 以降、「まち・ひと・しごと創生本部」が中心となって、政府による地方創生の政策が着実に実行に移されている。さらに、今年度に入って、国の長期ビジョン、総合戦略に基づき、政府の支援の下、各地方公共団体の地方人口ビジョンおよび地方版総合戦略の策定への取り組みが本格化している。さらに、政府の支援の目玉でもある「地域経済分析システム」の提供が4月21日から開始されており、今後、各地方公共団体の人口減少社会への対応策の創意工夫が試される。政府は地方版総合戦略を2015~2019年度の5か年の政策目標・施策としている。その理由を人口動態から考えてみたい。

政府の人口ビジョンでは、東京の一極集中を抑え、各地方公共団体が創意工夫を行うことがポイントとなっている。特に、地方の生産年齢人口の社会的な流出を抑えて、減少を食い止めることは重要である。

下記グラフは東京都と全国平均の各年齢層 (0–14歳 (年少人口) 、15–64歳 (生産年齢人口) 、65歳以上 (高齢者人口) ) の人口減少に対する寄与度を示したものである。全国 (≒地方圏) の2015年 (2010年比) では、既に高齢者の人口増よりも、年少人口および生産年齢人口の減少が上回り (=差分) 、全体の人口が減少している。2020年以降は、この差分のマイナスの寄与度が大きくなり、全体の人口の減少率も上昇していく想定である。これに対して、東京都は2030年以降、本格的にこの差分がマイナスに寄与し始めてくる。

つまり、地方圏では、2015年度から2019年度までの5年間の地方公共団体の施策が地方からの生産年齢人口の減少を抑えるために、大きな意味を持ってくることとなる。東京都も時間的余裕があるとは言え、2030年に備え創意工夫が必要となる。

今回の“創意工夫”は解決策がなければ意味がない。各地方公共団体の独自性を求めてはいるものの、独自性の高い解決策を見つけることには限界がある。5年間という時間的制約もあるため、各地方公共団体とともに同時にオールジャパンで知恵を絞って“創意工夫”することが必要ではないか。


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