大和総研コラム

女性の活躍推進と少子化対策の両立へ

「待機児童解消加速化プラン」への期待
  • 政治
  • 掲載日 : 2015年4月21日
  • 大和総研経済環境調査部 研究員 物江陽子

女性の活躍推進と少子化対策が、政府の重点施策となっている。働く女性のひとりとして、大いに応援したい動きである。私事ながら筆者も三年前に出産し、保育園探し、いわゆる”保活“ (保育園活動) を経験した。わが子も一時は待機児童となり、子育てしながら仕事を続けるために、保育サービス拡充の必要性を痛感したところである。

政府は2013年に発表した「日本再興戦略」で、女性の活躍推進に向けて、2015年度までに約20万人分、2017年度までに約40万人分の保育の受け皿を新たに確保する「待機児童解消加速化プラン」を打ち出した。具体的には、保育所整備、保育士の確保、小規模保育事業などの新制度の先取り、認可外保育施設及び事業所内保育施設への支援という5本の柱について、補助金等を通じて自治体の取り組みを後押しするとしている。厚生労働省の集計によれば、同プランの実施により、2014年5月までに自治体が提出した計画では、2013年度・2014年度合計で19万人分の保育の受け皿拡大が見込まれている(※1)

政府と自治体の取り組みの結果、保育所定員は増加が続いており、2014年に234万人に達した (図表参照) 。待機児童数も2010年の約2.6万人をピークに減少が続いている。保育所を利用する児童の割合は上昇が続き、2014年に35.9%と過去最高を更新し、いまや就学前児童の3人に1人が保育園に通う時代となった。このように、待機児童対策は着実に成果をあげている。それでも、2014年4月時点でまだ約2.1万人の待機児童が存在する(※2)。筆者の周りでも、保育園に入れず職場に戻れないという話は絶えない。

日本の女性の就業率は先進国のなかでも低く、「三歳以下の子どもを持つ母親の就業率」は2011年に25%で、OECD加盟国平均の41%を大きく下回った(※3)。「待機児童解消加速化プラン」で政府が掲げる目標が実現すれば、ボトルネックが解消され、子を持つ女性の就業状況もさらなる改善が期待できよう。

待機児童対策のおかげで、筆者の住む町にもこの春、認可保育園が開設され、わが子は念願の認可保育園に入園できた。わが家の”保活“もようやく終了し、筆者もこれで安心して働き続けることができる。働く女性が子どもを産みたいと思える社会環境作りのために、保育サービス拡充への取り組みに、引き続き期待したい。

[図表] 保育所定員と待機児童数の推移

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