大和総研コラム

迫る、民法 (債権法、相続法) 改正

  • 政治
  • 掲載日 : 2015年3月17日
  • 大和総研金融調査部 主任研究員 堀内勇世

法務省の法制審議会において、2015年2月24日、民法に関して2つの大きな動きがあった(※1)

一つは、民法の債権関連の部分、いわゆる債権法の改正に関わる「民法 (債権関係) の改正に関する要綱」(※2)が、2015年2月24日に開催された法務省の法制審議会の総会で採択され、直ちに法務大臣に答申されたことである。これは、2009年10月28日に法務大臣から法制審議会が諮問を受けてから5年以上の検討を続けてきた結果である。2015年3月中にも、法案が国会に提出されると報じられている。

今回の改正は、債権法が含まれる現在の民法財産編が、1896年に制定・公布されてから120年ぶりの大改正と言われている。債権法は、契約 (例えば、コンビニで飲み物を買う場合にも契約が成立している) に関する基本的な法律である。それゆえに、実務に大きな影響を与える可能性がある。約款に関する基本的な規定が組み込まれる、時効期間が変わる、法定利率が変わる、個人保証の保護方策が追加されるなど、多岐にわたる改正である。今後、債権法に関わる法案が成立すれば、契約書の見直しなど地道な検討が必要になろう。

また、債権法の改正の動きを睨みつつ、内閣府の消費者契約法専門調査会(※3)で、消費者契約法の改正も検討されているので、今後の動きにも注意が必要である。

もう一つは、民法の相続関連の部分、いわゆる相続法の改正に関わる動きである。相続法について、法制審議会が法務大臣から諮問を受け、今後、部会を設けて検討が進められることになった。

ただし、実際には、法制審議会とは別に、法務省において以前から検討されていた。2013年9月に、最高裁判所において嫡出でない子の相続分を嫡出子の2分の1と定めていた規定が憲法に違反するとの決定がなされ、それを受けて法改正作業が行われた。その過程で相続法の他の部分についても見直しの必要性などが問題提起され、法務省に「相続法制検討ワーキングチーム」を設置し検討することとなった。第1回会議は2014年1月に開催され、1年後の2015年1月には「相続法制検討ワーキングチーム報告書」(※4)がまとめられた。この報告書では、主として①配偶者の一方が死亡した場合に、相続人である他方の配偶者の居住権を法律上保護するための措置、②配偶者の貢献に応じた遺産の分割等を実現するための措置、③寄与分制度の見直し、④遺留分制度の見直しの4点について検討が行われた結果が掲載されているが、まだ検討が必要としている。

今後、法制審議会の部会においてこの報告書に記載された事項などが検討されるものと思われる。相続は、身近な事項でもあるので今後の動向には注意が必要であろう。


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