大和総研コラム

MDGsからSDGsへ

  • 国際
  • 掲載日 : 2015年2月24日
  • 大和総研環境調査部 研究員 平田裕子

2015年、「ミレニアム開発目標 (Millennium Development Goals:MDGs) 」は目標達成期限となる重要な年を迎える。MDGsは、国連ミレニアム・サミット (2000年) で189の国連加盟国代表が採択した、21世紀の国際社会の目標「国連ミレニアム宣言」を基に策定され、貧困や教育、ジェンダーなどの問題に関して世界の代表が具体的な数値目標と期限を公約した画期的な国際開発目標である。下図の8つの目標と21の具体的なターゲットから成る。

最新の進捗報告(※1)では、全ての目標で進展が見られているものの、課題が浮き彫りとなる現状も報告されている。例えば、目標1のうち、極度の貧困状態(※2)の人口を半減するというターゲットや、目標7のうち、安全な水資源へアクセスできない人口を半減するというターゲットは達成されたが、依然として12億人が極度の貧困状態にあり、7億人が安全な水資源にアクセスできない状況にあるとされている。また、目標4や目標5では、ターゲットの達成が困難とされており、いまなお開発途上地域では、出生児10万人あたり230人の妊産婦が命を落とし (先進国では16人) 、1000人に53人の子供が5歳を迎える前に死亡している (先進国では6人) 現実があるという。

国連では、MDGsで積み残した課題を含め、ポスト2015年に向けて「持続可能な開発目標 (Sustainable Development Goals:SDGs) 」の議論を進めてきた。2014年7月、オープン・ワーキング・グループは成果文書(※3)を発表、17の目標案と169のターゲットを提案した。国連では、今後も議論を深め、2015年9月の国連総会首脳級サミットで2015年以降の次期開発目標が採択されることになっている。

SDGsは、環境問題などのあらゆる側面を包含し、全ての国を対象としたテーマを取り上げている点でMDGsとは大きく異なる。国連のモハメッド顧問(※4)は、MDGsの成果を評価する一方で、次期開発目標では、経済的、社会的、環境的次元を統合することが必要であり、北と南という従来の開発のパラダイムも通用しないことを述べている(※5)

これまで「開発目標」というと、遠い開発途上国の問題と聞こえてきたかもしれない。しかし、毎朝飲んでいるコーヒーや、洗顔に使う石鹸、身に着けるシャツ・・・原料を辿れば開発途上国に行きつくものも多い。ビジネスでもサプライチェーンのどこかで関わりを持つケースが多く、紛争鉱物や児童労働などの問題で潜在するリスクにも注意を要するであろう。これからのビジネスが持続可能であるためには、SDGsなどの課題解決を取り込む発想が求められてくるだろう。次期開発目標は、一人でも多くの人が目を通し、当事者としての関わり方を考えることを願う。

[図表] MDGsとSDGs

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