大和総研コラム

不当表示に対する課徴金制度導入

  • 政治
  • 掲載日 : 2014年12月2日
  • 大和総研金融調査部 主任研究員 堀内勇世

平成26年11月19日、うそや大げさな表示など、一般消費者をだますような不当表示を行った事業者に対して課徴金を課せられるようにする「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律」が成立した(※1)。この法律の案は10月24日に国会に提出されていたが、解散の話が流れ出した時には、成立するとは思わなかった。おそらく継続審議になるのではないかと考えていた。しかしながら、消費者保護のために必要だとする考え方は強かったようで、成立するに至っている。

この法律の内容を見てみると、次のことが規定されている。

  • 不当表示抑制のために課徴金制度を導入すること (違反者に対して課徴金の納付を命じる「課徴金納付命令」を出せるようにすること)
  • 課徴金の額は、原則として、問題となった不当表示に係る商品や役務の売上額の3%とすること
  • ②で課徴金を算定する際の売上額は、3年間を上限とすること
  • ②で算定した課徴金の額が150万円未満の場合 (課徴金算定の基礎となる売上額の総額が5,000万円未満の場合などと、新聞では表現されることもある) には対象外とすること
  • 自主申告者への減額制度を導入し、課徴金の額の2分の1を減額すること
  • 一般消費者の被害回復を促進するため、一定の手続に基づき返金措置を実施した場合に課徴金を減額・免除する制度を導入すること

この法律の施行日は、公布の日 (平成26年11月27日) から1年6ヶ月以内に政令で定める日とされている。1年6ヶ月という長い準備期間がとられたのは、例えば課徴金額の算定等について、政令や内閣府令、さらにガイドラインで詳細を詰めるなどの準備が必要だからである。

今後、この法律から政令に委任された事項などが定められるとともに、その解釈や具体事例などがガイドラインなどで定められることになろう。今後公表されるであろう政令、内閣府令、ガイドラインなどにも注意が必要である。

この新たに設けられた課徴金制度は、不当表示の抑制につながるように運用されていくことが望まれている。他方で、この課徴金制度は事業者の活動を萎縮させる危険性もありうると指摘されており、その運用に当たっては、例えば、不当表示等の解釈について、事業活動を過度に萎縮させることがないよう、国際的な動向を踏まえ、その基準の明確化と周知徹底を図るとともに、問合せ窓口の設置などの相談体制を充実させることなどが求められよう。


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