大和総研コラム

旅の楽しみは計画段階から

  • 消費 / 社会
  • 掲載日 : 2014年9月17日
  • 大和総研経済調査部 シニアエコノミスト 山崎加津子

長い休みに何をしようかと考えた時、候補の筆頭に挙がるのは旅行だろう。海外旅行か国内旅行か、リゾートに行こうか、登山をしようか、温泉に行こうかなどと選択肢は多種多様である。行先を決めたあとも、どのようなルートでそこに行くか、行った先で何を食べるか、お土産に何を買うかなどと、決めるべきことがたくさんある。中には、このように旅の計画をいろいろと考えている時が一番楽しいという人もいる。

個人的には鉄道で旅をするのが好きで、時刻表を片手に、このルートでここを回って、これを見て、これを食べようと考えるのが楽しい。今ではインターネットという便利な手段があり、行先と日付を入力すればたちどころにルートと時刻、料金を教えてくれる。JRのネット会員として登録していれば、切符予約もネット経由で完了する。

ところで海外旅行の場合はどうだろう。航空券をネット経由で購入することはすっかり当たり前になったが、実は現地の鉄道の時刻検索や切符購入もネット経由でできてしまう。例えばドイツ鉄道 (Deutsche Bahn) のウェブサイトでは、出発駅と到着駅を入力すると、ルート候補の時刻と料金が提示され、座席予約も含めた切符購入が可能である。代金はクレジットカード決済で、切符は飛行機のeチケット同様、切符画面を印刷して持参するのである。ドイツは欧州大陸のほぼ中心に位置しているため、その鉄道網はオランダ、フランス、ベルギー、スイス、オーストリア、ポーランドなどとつながっている。鉄道の切符も、国境を越えた「外国」の目的地まで購入可能である。また、ドイツ鉄道のウェブサイトではドイツ語、英語のみならず、フランス語、イタリア語、スペイン語、オランダ語、ポーランド語、チェコ語、デンマーク語、スウェーデン語でもチケット購入が可能である (実は日本語のサイトもあるが、チケット予約・購入はできない) 。

これに対してJR各社のウェブサイトでは、時刻表や切符の買い方の案内などが英語サイトに掲載されているが、ルート検索や所要時間の確認、切符の予約・購入まではできないようである。和食ブームや日本のサブカルチャーに対する関心の高まり、また2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定、そして円安の効果で、訪日外国人旅行者は2013年に1,000万人を突破したあと、2014年はそれを上回るペースで増加している。ただ、これを2,000万人に増やすには、日本を旅行する魅力をさらに高める必要があるだろう。訪日前に、鉄道を利用した旅の計画をあれこれ考え、切符の手配を可能にするソフトの存在は、その一助になるのではないだろうか。飛行機と観光バスだけの旅ではなく、「時刻表通りの運行」という外国ではなかなかお目にかかれない鉄道の旅もぜひ経験してほしいものである。


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