よく金融リテラシー (=お金やお金の流れに関する知識や判断力) の向上が必要だとか、金融経済教育、投資教育が重要だと言われる。例えば、金融庁のウェブサイトには、次の記述が存在する。
「IOSCO は、投資家教育及び金融リテラシーへの要望は、これまでになく強くなっていると考えている。金融市場は発展・革新し続けているため、投資商品は益々複雑になってきており、金融サービスは益々多様化してきている。一般投資家の側において、一般投資家が利用可能な選択肢を理解・評価するため、また、金融不正を回避するために、重要な金融に係る概念の更なる理解が必要となっている。」
(IOSCO メディアリリース (仮訳) 「IOSCO による市中協議報告書『投資家教育及び金融リテラシーに係る戦略枠組み』の公表」)
なお、IOSCO (イオスコ) とは、証券監督者国際機構のことであり、世界各国・地域の証券監督当局や証券取引所等から構成されている国際的な機関であるが、そのような場でも金融リテラシー向上の必要性、金融経済教育、投資教育の重要性が叫ばれている。
とはいえ、筆者自身も今のような仕事をしていなかったならば、日々の生活に追われ、金融リテラシー向上の必要性などを認識すらしていなかった可能性がある。勝手な推測であるが、多くの人が必要性などを認識すらしていない状態に近いのではないかと思う。また、必要性などを何となく認識していても、日々の生活に追われ、何十年後の将来のことを考え準備まですることは面倒なことなので後回しにしてしまっているのではないだろうか。
しかし、引用した文章にもあるように、金融リテラシー向上の必要性などは高まってきており、将来を考えると学ばないより学んだほうがよい。老後のよりよい生活のためには自ら行動していくべきであり、自身に最適な資産運用を選択していくには、金融リテラシーの向上のために自ら学んでいくことが必要である。とはいえ、いきなり本格的にというのも大変なので、まずは、基礎的なことを、手軽にできることから始めてはどうだろうか。
例えば、金融庁のウェブサイトには「金融経済教育に関する情報」や「金融の仕組みや金融商品などの解説」も掲載されている。「金融経済教育に関する情報」には、以下のものへのリンクが掲載されている。
また、大和総研では「なるほど金融」というコーナーなどを設けている。
このようなものを利用してみてはどうだろうか。最初は、軽く眺める程度でもよいのではないだろうか。それでも本当に学びたくなった時、本格的に学ばなければならなくなった時には、少なからず役に立つと思われる。まずは、手軽にできることから、始めよう。
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