大和総研コラム

e-サンタクロースの時代?

  • 国際
  • 掲載日 : 2013年12月25日
  • 大和総研ニューヨークリサーチセンター エコノミスト 笠原滝平

日本から遅れること14時間、アメリカの東海岸にもクリスマスがやってくる。クリスマスにかけて、アメリカの様々な家庭はクリスマスツリーを飾り、家や庭をライトアップする。ニューヨークでは、ロックフェラーセンターやウォール街の巨大なクリスマスツリーが有名だ。この時期の重要な観光資源の一つと言えるだろう。

そして、ニューヨークにおいてはショッピングも観光資源と言えるのではないだろうか。百貨店やブランド店など様々な小売店が集まり、一年を通して買い物客で賑わう。アメリカでは11月の感謝祭 (第4木曜日) 明けからクリスマスまでの期間、クリスマスプレゼントの需要が高まることなどにより、小売店が大規模なセールを行うことから年末商戦として注目される。ニューヨークでも、この時期はいつにも増して買い物客が多いように感じる。

今年は暦の関係で年末商戦の期間が短いことから、通常は感謝祭明けの金曜日から始まるセールを感謝祭当日の夕方から行う小売店もあった。筆者はアメリカの代表的な百貨店や、大手家電量販店などの開店時の様子を見に行ってきた。どの店舗も開店前は長蛇の行列ができて、他の時期に比べると盛況に見えた。しかし、これまでの年末商戦に比べて特段客足が多いようには見えなかった。それでも、NRF (全米小売協会) の発表(※1)によれば、全米では今年の感謝祭から週末にかけては1億4,100万人が買い物をすると推計された。1億3,900万人であった昨年からは1.5%程度の増加であった。

一方で、comScore社の発表(※2)によれば、感謝祭から感謝祭明けの月曜日までのオンライン売上高は前年比22%増であった。NRFのデータにはオンライン販売も含まれることや期間が異なることなどから正しく比較はできないものの、オンライン販売の堅調さが目立つ結果であったと言えるだろう。小売店の販売が実店舗からe-commerceへシフトする中、サンタクロースもプレゼントの調達をオンラインで行う時代に突入したのかもしれない。もっとも、報道等によれば今年のニューヨークは5,000万人超の観光客を受け入れるとみられており、実店舗での販売も多いことだろう。

実店舗を持つ小売店もオンライン販売に力を入れているようで、送料無料や注文から2日で配達を行うことを売りにする小売店が増えるなど、消費者にとって配送の利便性が急速に向上している。サンタクロースがトナカイのソリに乗ってプレゼントを届けて回ることなく、雪国の自宅にいながらオンラインで世界中の「いい子」たちにプレゼントを配る。トナカイは次の就職先を見つけた方がいいかもしれない。


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