大和総研コラム

変わり続ける法律~民法、独禁法、会社法

  • 政治
  • 掲載日 : 2013年12月10日
  • 大和総研金融調査部 主任研究員 堀内勇世

今年 (2013年) 秋の臨時国会 (第185回国会) でも、多くの法律改正の法案が提出されたり、審議されたり、成立したりしている。個人的には普段から関心を持っている法律であることもあり、この中で民法、独禁法、会社法に関する改正法案に特に興味を持っている。

民法の改正法案は、9月4日に出た最高裁判所の違憲判断を背景としたものである。最高裁判所は、遺産相続において、結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子 (婚外子) の法定相続分を、結婚している男女の間に生まれた嫡出子の半分と定めた民法の規定が憲法に違反すると判断した。それを受け今回の改正法案は、非嫡出子 (婚外子) の法定相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定を削除している。長い間議論があった点であり、今回このような最高裁判所の判断が出て、改正法案が審議され成立したことは感慨深い。また現在、これとは別に民法の債権関係の部分の見直しが法制審議会で議論されている。法制審議会では2015年2月に改正要綱を取りまとめて答申することが目指されている。

独禁法 (正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」) の改正法案の内容は、公正取引委員会が行う審判制度の廃止などである。一般に「審判」といってもなじみはないと思うが、公正取引委員会から独禁法違反で課徴金の行政処分を受けた場合などにまず不服申し立てをするための制度である。この制度は2005年の改正で現在のような形となったが、行政処分をした公正取引委員会が自らその行政処分の適否を判断することになるとして批判もあり、見直しが唱えられていた。

会社法の改正法案の内容は、親会社の株主が子会社の経営陣の責任を追及できる「多重代表訴訟制度」の創設や、社外取締役や社外監査役の社外要件の見直しなどである。株式会社などに関する規定はもともと「商法」という法律などにあり、1990年から商法等は頻繁に改正された。そしてついに2005年には株式会社などの規定は「会社法」という新しい法律になった。その会社法が改正されようとしている。

今年の臨時国会では成立せず、2014年の通常国会にまわされたものもあるが、この3つの例を見ているだけでも、驚くべき勢いで法律の見直しが議論され、進められており、個人的には、この流れについていくことができているのかと不安になり、「もっとゆっくり」とも考えてしまいたくなるところもある。しかし、社会の変化の速度を考えると、見直し作業のスピードを緩めるべきではないのだろう。法律は社会生活と離れて存在するものではない以上、社会の変化に合わせて法律も必要に応じて見直されるべきであろう。


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