大和総研コラム

新しくなったiDeCo、上々のすべり出し ?

  • 経済
  • 掲載日 : 2017年4月10日
  • 大和総研金融調査部 研究員 佐川あぐり

2017年1月から、個人型確定拠出年金 (DC) が制度変更されて新しく生まれ変わり、「愛称:iDeCo (イデコ) 」としてスタートしている。厚生労働省が公表する「確定拠出年金の施行状況」によれば、iDeCoの加入者数は2017年2月末時点で37万8,949人となり、1月、2月の2ヵ月間で新規加入者は7万5,725人であった(※1)。2015年 (平成27年) 度の新規加入者数が約6万人(※2)であったことからみても、上々のすべり出しといえるのではないか。

個人型DCは、企業型DC(※3)とともに2001年10月から制度が誕生しているが、今回大きく変わった点は加入対象者の拡大である。これまでは、自営業者や企業年金のない会社に勤める会社員など、一部の人に限られていたが、専業主婦 (夫) や公務員、企業年金のある会社に勤める会社員も加入できるようになった。新規加入者数の増加ペースを見ても、加入対象者が拡大したことの反響は大きいようだ。

対象者が拡大したことにより、iDeCoと企業型DC間での資産移換=ポータビリティを利用できる機会は増えたと言えよう。ポータビリティとは、例えば、勤務する会社で企業型DCに加入していて、退職しフリーランスとして働くことになった場合、企業型DCの資産をiDeCoへ移換できることだ (逆の資産移換も可能) 。これまでは、加入対象者が限定されていたために、この仕組みを十分に活かすことができないケースも多かったが、それが解消されたことになる。働き方が多様化する中で、60歳未満の成人は誰もがこうしたDCのメリットを受けられるようになり、利便性が向上したといえよう。

そもそも、掛金の拠出時、運用時、受け取り時の3段階で受けられる節税効果の高さというメリットがあるiDeCoは、このように利便性が高まったことにより、老後の生活に備えた資産づくりを支援する制度として、これまで以上に積極的な利用が期待されている。ただし、注意点もある。例えば、iDeCoでは、管理等にかかる各種手数料が企業型DCの場合(※4)と異なる。図表のように、発生する各種手数料は加入者負担となるので、加入を検討する際には十分に確認しておく必要がある。上々のすべり出しとなったiDeCoだが、今後は上記のようなメリットや注意点について、国民の耳に届くような、わかりやすく丁寧な情報提供を継続的に行う努力が重要となろう。それが、iDeCo普及のカギとなるのではないか(※5)

[図表] iDeCoにかかる主な手数料 (消費税込)

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