大和総研コラム

民法 (債権法) 改正は、どうなる ?

  • 政治
  • 掲載日 : 2015年12月9日
  • 大和総研金融調査部 主任研究員 堀内勇世

2015年 (今年) 3月、約120年ぶりの大改正になると言われていた、民法の債権関連の部分、いわゆる債権法の改正に関わる民法改正法案が、国会 (第189回、いわゆる通常国会) に提出された。この法案には、①約款 (「定型約款」) に関する規定が置かれる、②消滅時効の時効期間が変更される、③法定利率が変更される、④個人保証の保護方策が追加、強化される、⑤譲渡禁止特約の効力が変わるなどの重要な改正が含まれている。

提出当初は順調に審議され、成立する可能性もささやかれていた。しかし、その国会では戦後最長の95日間の延長も行われたが、安全保障関連法の審議の影響もあり、民法改正法案は審議が進まないままであった。そのままでは、9月27日の閉会ともに民法改正法案は廃案となるところであったが、いわゆる継続審議(※1)とされた。つまり簡単に言えば、廃案とはせずに、次に開催される国会に持ち越されることになった (ただし次に開催される国会で実際に審議されるか否かは、その時の状況による) 。

次に開催される国会とは、いつごろ開催される国会であろうか。例年なら、秋ごろに臨時国会が開催されることが多い。しかし時期的にもう12月に入っており、また新聞報道などを見る限り、安倍首相の外交日程が立て込んでいることなどから、2015年の臨時国会の開催の可能性はなくなったように思われる。となれば、2016年1月に開催される予定の通常国会となりそうである (国会法2条参照) 。一部には、2016年1月4日召集という案もあるようである。したがって、民法改正法案は、2016年1月に開催される予定の通常国会において審議され、2016年中に成立するのではないかというのが現在の見通しと言えよう。

それでは、2016年中に成立したとしたら、施行日はいつになるのであろうか。民法改正法案では、原則として、成立した後の「公布の日」から起算して3 年以内の政令で定める日から施行するとされている。これが今後修正されないとの前提を置けば、成立後ほどなく公布される (国会法66条参照) はずで2016年中の公布が予想されるので、遅くとも2019年中に施行されることになると予想される。「遅くとも」とつけているのは、その規定だけを見る限り、それより早まることがありうるからである。もっとも民法改正法案が公布から施行まで最大3年の猶予期間を設けているのは、国民が意識しているか否かにかかわらず民法 (債権法) が国民生活に深く関わっており、そのための十分な準備期間が必要と考えられたからである。そうであるならば、いたずらに猶予期間を短くするようなこと (上記の例であれば、2018年中に施行などということ) は避けられるべきであると思われる。


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